カッコいいハイテクアイアン
ロフト33度の中空構造アイアンは、テーラーメイドのP770と今回紹介するAPEX PROの二大巨頭。33°にキャビティではない構造というのはかなり贅沢で、ロフト的にスピンがかかるのでその分他の要素にテクノロジーを使っています。
2023年モデルのAPEX PROアイアンはキャロウェイらしいコンパクトなヘッド。本来このサイズのヘッドでは出せない性能を追求するためのハイテクアイアンです。
この記事ではAPEX PROアイアンを試打データをもとに評価していきます。
APEX PROアイアンのデザイン
バックフェースはまるでハーフキャビティというスタイル。前作ではブレード感満載の中空でしたが、2023年モデルのAPEX PROはキャビティのふりをしています。
バックフェースにはプレートが貼られていて、このプレートはタングステンらしいです。4番と5番は内部にもタングステンが埋め込まれていて低重心化されています。
グースは前作よりも小さくなったようですが、ネックの形はキャロウェイ感が残っています。ソール形状は先に向かって広がるテーパースタイル。
断面形状はソール側のボリュームがあるように見えます。トップブレードもそこまで薄くはないです。
ヘッドが小さいです。これがAPEX PROの一番の特徴だと思います。フェース長が短く、グースも小さいのでハードなイメージが強いです。
APEX PROアイアンのスペック
7番のロフトは33°でPWは45°です。
6番以下の番手は軟鉄鍛造です。全番手に共通しているのはフェース裏の樹脂とバックフェースのプレートです。
試打データ
キャロウェイAPEX PRO7番×モーダス105S
ヘッドスピード | 47.4m/s |
ボールスピード | 58.4m/s |
平均キャリー | 180y |
平均トータル | 190y |
平均サイドスピン | 95rpmストレート |
平均バックスピン | 6481rpm |
平均打ち出し角 | 0.7° |
平均打ち上げ角 | 21.7° |
最大の高さ | 46y |
落下角度 | 52° |
左右ブレ | 0y |
純正シャフトはダイナミックゴールドMIDも選べます。今回の試打はモーダス105です。33°としては普通の初速で、バックスピン量は6000rpmを常に超えてくれます。キャリーは平均180yとバランスは良いです。
弾道はほとんどストレートであまり左に行かないというのが面白いです。通常これだけ小さいヘッドだったらマッスルバックのように左右に自由に飛んでいくと予想されますがAPEX PROは真っ直ぐです。
弾道は低めです。1球だけ50yを超えていますが、それ以外は45yくらい。この理由は打ち上げ角度の低さです。他社製品よりも2°くらい低いです。バックスピン量があれば弾道の高さが出るわけではないということです。
APEX PROアイアンの良い点
- 安定性が高い
- ストレートに狙える
- ロフトは立ちやすい
- スピンはしっかりかかる
APEX PROアイアンのイマイチな点
- ヘッドがやたら重い感じがする(操作感が希薄)
- 打感はイマイチ
APEX PROアイアンの打感
打感はそこまで良くないです。
単純な“柔らかさ”は感じることが出来ますが、いかにも作った感がある打感なのでイマイチでした。形でバイアスがかかってしまうから、そのギャップがあるという可能性はもちろんありますが、目を瞑って打っても良い打感とは思わないでしょう。
APEX PROアイアンのセッティング
シャフト依存度は高くないと思います。今回モーダス105で打ちましたが、モーダス105の特徴はほとんど出ないくらいにヘッドの味が濃いです。

弾道はストレート系のヘッドですから、シャフト依存度が高くないとはいえセッティングはしやすいと思います。
データチャート
APEX PROの安定性は非常に高いですし、シャフトによらずに安定性が出せるアイアンだと思います。スピン量もかかりすぎていないという点が、同ロフトのキャビティと比べて差別化されているところです。
総合評価
APEX PROアイアンはライバルであるP770とも違ったアプローチで作られたモデルでした。やはり最大の魅力はデザインのカッコ良さです。ヘッドサイズが小さくてやる気にさせます。
そのサイズの割には明らかに安定性が高いのでこれはテクノロジーを感じます。弾道の高さだけが若干疑問が残りますがそれはぜひ試打して確かめてください。
おススメ度 (3.5 / 5)
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