アダム・スコットが長年使うマッスル
新モデルが発売されても、アイアンを中々新調しなかったアダム・スコットが使うのが今回紹介するタイトリスト680フォージドアイアンです。
シンプルなマッスルバックアイアンですが、年式自体は古く、最初に発売された年は2003年です。それでもアダムは使い続け、2020年には680フォージドで見事優勝してしまいました。
2018?年には、復刻版として全世界400セットのみ限定販売されまして、今回試打評価するのはその復刻生産品です。
タイトリスト680フォージドとは
タイトリスト680フォージドは2003年に登場した、軟鉄鍛造のマッスルバックアイアンです。アダム・スコットをはじめとするトッププレーヤーに愛用された名器です。
7番で36°とかなり強気なロフト設計で、2003年に限定500セットで発売されました。小ぶりで細いソール、高重心設計と、今では考えられない硬派なマッスルバックアイアンです。
2018年に15周年記念で400セットの追加生産がされました。今でも高値で取引される傑作アイアンです。
試打データ
ヘッドスピード | 40.3m/s |
ボールスピード | 54.9m/s |
平均キャリー | 162y |
平均トータル | 170y |
平均サイドスピン | 413rpmドロー |
平均バックスピン | 7778rpm |
平均打ち出し角 | -2.8° |
平均打ち上げ角 | 23.0° |
最大の高さ | 43y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | -14y |
衝撃的なまでの飛距離と初速でした(笑)
一応、35°にしてあるのですが、それでも最大でキャリー167yが限界でした。総重量437gですから、ロフトと重量だけが要因ではなさそうです。
シャフトの影響もありますが、ドローが出やすいです。マッスルバックだと捕まらないモデルも多いですが、680フォージドアイアンは、シャフト通りに飛びます。
少々ばらつきはありますが、全体としては低めの弾道になりました。ロフトに対して打ち上げ角が小さめで、非常に高スピンなのでここまでの低弾道になります。
ヘッドスピード50m/sを超える人でも、実測でキャリー170y飛ばせるか微妙なレベルです。
試打させてもらった680フォージドは、プロジェクトX LZ6.5です。
680フォージドのデザイン考察
バックフェースのデザインを見てもらっても分かる通り、680フォージドアイアンの分厚い部分はフェースのかなり上の方まで広がっています。
最近のマッスルバックは重心をあまり上げないように、分厚いエリアを高くしないモデルが多いです。
良く見ると、トップブレードにかけてテーパーになっているように見えます。ウェッジではフォーティーンが始めたこの形状ですが、高重心にしてスピンを増やす狙いでしょう。
ネックも画像で言えば下側程太くなっていて、徹底的に高重心にしようとしていることが伺えます。
ブレードは薄く、メッキとのコントラストがはっきりとしています。
このフェース、なんか違和感ありませんか?
スコアラインがフェース上ギリギリまで刻まれていないのです。マッスルバックでは割と多いのですが、その中でも特に顕著だと思います。フェース上部の溝を刻んで重心が下がることすらもったいないという考えが表れているというのは、私の深読みでしょうか。
あまりにも美しいです。こうして見ても、スコアラインがギュッと下の方に集まっているようにみえて、フェースの高さが低いクラシカルなデザインです。
フィーリング
タイトリスト680フォージドアイアンはかなり打感の良いアイアンだと思います。
最近のタイトリストのマッスルバックはあまり打感が良くないのですが、680フォージドは別格。アダム・スコットが長く愛用していたのも納得です。
データチャート
チャートにしたら、ネタみたいな形になってしまいました。ただ、決して悪く思っているわけではありません。選ばれし人にしか扱えない代物ですし、ある種コレクターズアイテムなので良しとしましょう。
総合評価
歴史的価値のあるアイアンを打つことが出来て大変有意義です。
タイトリスト680フォージドアイアンが、多くのトッププロに愛されてきた理由が少しですが理解できた気がします。
680フォージドは今でもフルセットで6~8万円で取引されるほどですし、そもそも出てこないのでコレクターの方はお早めに買っておいた方が良いでしょう。
おススメ度
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