血迷うブリヂストン
ブリヂストンはユーザー層の変化に対応すべく変化している過渡期に当たる時期を迎えているというのが最近のクラブを打って私が感じるところでした。
ターゲットが高齢化していくのは防げませんからクラブを売る側はその人たちがほしいクラブを作るしかありません。だいぶ前からそれに取り組んでいたブランドとは違いブリヂストンは少し遅れを取っていたのは否めません。
最近のブリヂストンでは限定販売モデルの拡充などで新たなターゲット戦略に移行し、案外上手くいっている肌感覚です。今回特集するのはその限定販売ラインのB-Limitedから出ている220MBというマッスルバックアイアンです。
イベント限定のモデルなので打つ機会が少ない反面、知りたい人が多いと思ったので試打してきました。
B-Limited 220MBアイアンの概要
ブリヂストン220MBアイアンは、軟鉄鍛造のピュアなマッスルバックアイアンです。
ロフト体系は7番で33°の弱腰ですが、3番までラインナップしているのは評価したいですね。個人的には昔のブリヂストンにあったAWやP/Sみたいな下の番手があると嬉しかったですね。
限定販売でありながら限定数が書いていないという黒い一面があるのもB-Limitedの特徴です。値引きをほとんどしないだけに、限定数は明示してほしいです。

B-Limited 220MBのデザイン
220MBアイアンのデザインは極めて美しいです。バックフェースは正直さを伺えるシンプルなもので、TB-ZEROやP7MBなどの硬派なモデルと似ています。
コーポレートカラーのBマークと220MBのロゴ以外は何も書いていません。
ブレード厚は薄めです。マッスルバックとしては普通くらいです。特にやさしさを演出するようなモデルではなさそうなのでデザインに関しては概ね高評価です。
構えてみると、前作ほどの絶壁感はなくネック部分の膨らみが増したように見えます。構えた印象は前作よりも前前作に近いです。ロフトは33°ですが寝て見えるのが不思議。デザインの奥深さを感じます。
ソールは平行でこれもシンプル。重心設計をしているとは思えないほどクラシカルです。まぁ実際HPにはしていると書いていないのでただ33°に立てたマッスルバックなのかなとは思います。
どこを見てもB-Limited 220MBにデザイン的な特徴はありません。良くも悪くもありきたりなデザインです。
試打データ
B-Limited 220MB7番アイアン(モーダス115)
今回は試打環境が違うのでいつものデータと比較は出来ないと思いますのでその辺りも含めて解説します。
初速は60m/s出ていますがスピン量が少なくキャリーは飛びすぎな感じがします。実際芯に当たってはいますがここまでスピンが少ないというのは疑問。感触的にスピンがかかりやすい訳ではないので少なめに出るとしても少ないです。
ドライバーの試打データを見ても大体2m/sくらい速いので大体58m/sあたりにボリュームがあるのかなと考えています。スピンの少なさはあまり信用していません。
非常に弾道は安定していますので試打データは別として評価は高いです。打ち上げ角度22°あたりで落ち着くのでロフトはちゃんと立っています。
試打データは7番だけおかしな距離になっていました。軒並み真っ直ぐ高弾道なのは共通しています。ダウンブローでもスピンが少ないのはちょっと信用できませんが。
B-Limited 220MB5番アイアン(ダイナミックゴールドS200)
スピンレベルはモーダス115と大差ありませんが、ダイナミックゴールドの5番はよくスピンがかかります。

5鉄
この飛距離とスピンのバランスが出るなら、7番アイアンは7000rpm近い数字が出ても良いと思います。
素晴らしい5番アイアンの試打データです。通常5000rpmでも出ればスピン性能が高いという評価をしますがマッスルの5番でここまで出るのは評価が高いです。
しっかりと初速の違いが出ているのでこの試打データも7番の試打データも初速に関しては信頼できる数値だと判断します。
また、5番アイアンでも真っ直ぐ飛びますからロングアイアンで特別難しくなるとも考えにくいですね。
B-Limited 220MBアイアンの特徴
- 方向性は安定
- 操作感は薄い
- シャフトは重い方が全体としてはバランスが取れる
- 弾道は高い
B-Limited 220MBアイアンの打感
ブリヂストン220MBアイアンの打感は良いです。良いのですが、芯に当たりやすい感じはせず常に打感が良いというアイアンではないのかなと思います。
マッスルバックなので打感が良いのは当たり前ではあると思いますが、やたらシンプルな割には特別良いとも言えずそれを考えると中途半端です。
B-Limited 220MBアイアンの良さ
番手ごとの振りやすさが変わらないのが良さだと思います。
マッスルバックアイアンは飛距離に置いて有利とは言えませんし、ロフト体系を考えても飛ぶ訳ではない。だから5番ないし4番まで入れるとなるとそうした上の番手がしっかり打てて、高さが出ることが重要だと思います。
5番
ブリヂストン220MBはセット全体をみるとそこが優れていると感じます。7番やそれより短い番手では物足りなさを少し感じてしまいますが、5番まで入れるとなるとそれも許せるくらいの仕上がり。
B-Limited 220MBアイアンの注意点
PWの形状は必ず確認してください。今作の220MBのPWはかなりウェッジシェイプになりましたのでこれまでのブリヂストンのPWとはだいぶ違います。
今までの形と2種類用意してほしいと思うくらい、ウェッジライクな見た目で好みは分かれるでしょう。
ウェッジとのつながりが良くなったので一定の評価はしますが既存ユーザーからしたらやや驚かれる変更点だと思います。220MBはイベント限定で全番手見られる可能性が高いのでしっかりチェックしましょう。
データチャート
これといって尖った性能はありませんが、それもまた魅力と捉えています。だってデザインがかっこいいから。
性能面では確定ではないものの、5番アイアンの試打データを見る限りはスピン性能、飛距離性能、距離感どれをとっても高評価です。

総合評価
ブリヂストン220MBアイアンは需要があるモデルだと思います。無理せずとも飛距離は出ますし、ロングアイアンが自然な飛びなので正直飛び系より打ちやすいです。
5番、4番まで入れる人からすれば多くのメリットを享受出来るモデルが220MBの本当の特性なのかなと思います。変にショートアイアンだけ入れるとかいうのは全くこのアイアンの良さを引き出すことにならないので注意してください。
おススメ度 (4.5 / 5)
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