小さい変更で大逆転
ハイブリッドはドライバーのように飛べば売れるわけではないので、小さい配慮が大事になってきます。これまでヒットしたハイブリッドは、引っ掛けが少なかったり、小ぶりながらやさしいなどある意味カテゴライズが簡単でした。
しかし昨今のハイブリッドは何かの拍子でブームになります。もちろんYouTubeやwebコンテンツがきっかけでバズることもあるでしょう。
今回はスリクソンの新モデルZX MkⅡハイブリッドを試打評価していきます。
スリクソンZX Mk2ハイブリッドのデザイン
ZX Mk2ハイブリッドでは3番(19°)から6番(28°)をラインナップします。前作と比べてヘッド体積自体は同じくらいですが、印象はかなり違って見えます。
スリクソンのハイブリッドは世代によって形状がかなり変わりますが、ここ数モデルは外ブラのような平べったいタイプが多かったです。ZX Mk2ハイブリッドではもう少しクラウンに丸みと立体感を感じます。
それゆえか、ヘッドの投影面積は小さく見えるので上級者好みなデザインになりそうです。
ドライバ同様ZX Mk2ハイブリッドも艶消しのヘッドです。艶消しは単純にかっこいいだけではなく反射を抑えたり実利も伴うので評価しています。
ドライバーでも言及したソールのレールのようなパーツですが、ハイブリッドにもあります。しかし、ドライバーほど凹凸は大きくないのでこれはただのデザインなのかもしれないと思いました。
実際打っていてこのギミックが働いている感じはしませんので、これで評価を上げるということはしません。
試打データ
ZX MkⅡハイブリッド22°×純正カーボン
ヘッドスピード | 52.3m/s |
ボールスピード | 68.0m/s |
平均キャリー | 218y |
平均トータル | 229y |
平均サイドスピン | 638rpmフェード |
平均バックスピン | 5610rpm |
平均打ち出し角 | 2.1° |
平均打ち上げ角 | 17.9° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 52° |
左右ブレ | 25y |
カーボンシャフトは流石に軽すぎて手が浮まくりでした。制御できない自分が悪いのですが、どう頑張ってもスピンが増えてしまいます。ハイブリッドの試打だと、通常カーボンシャフトの方が良い結果になりやすいのですが今回は違いました。ある意味このヘッドの特異な部分を炙り出したとも言えます。
弾道はフェードでした。カーボンシャフトが柔らかすぎるのかとも思いましたが、後述のスチールでもフェードするのでZX MkⅡハイブリッドはフェードバイアスなのだと思われます。
横から見た弾道は明らかに凹みがあるのでスピン過多なのがここからもわかります。
ZX MkⅡハイブリッド22°×N.S.PRO950GH neo DST
ヘッドスピード | 49.2m/s |
ボールスピード | 61.1m/s |
平均キャリー | 216y |
平均トータル | 231y |
平均サイドスピン | 110rpmフェード |
平均バックスピン | 3644rpm |
平均打ち出し角 | 4.2° |
平均打ち上げ角 | 19.9° |
最大の高さ | 46y |
落下角度 | 49° |
左右ブレ | 20y |
こちらは素晴らしい試打データとなりました。この試打データから、ZX MkⅡハイブリッドは間違いなくスチールシャフトがマッチするヘッドだと思います。この重量のシャフトでダフることもないので、さらに思いスチールでも良い結果になると予想できます。
スチールシャフトでもフェードが打てると言うのは結構珍しいです。高評価のハイブリッドにはその傾向がありますがZX MkⅡも御多分に洩れず高評価。
決して飛距離が出やすいわけではないのですが、必要十分でしょう。左右の安定性が高いので積極的にグリーンを狙いたくなります。
ZX MkⅡハイブリッドの良い点
やはり、スチールでぶん回せるというところは私にとって魅力的でした。
自分自身、カーボンシャフトが好きですから、ハイブリッドにはカーボンを入れていますが、軽量スチールは一般的には需要が大きいと感じるのでこういった特性は賞賛すべきです。
逆に、カーボンシャフトでの試打計測では「これ大丈夫か?」と思ってしまいましたがスチールを打ってある意味納得。
スリクソンZX Mk2ハイブリッドを買うなら
番手のラインナップが比較的豊富なのも特筆すべき点でしょう。
攻撃的な3番を入れたり、ロングアイアンを入れて6番ハイブリッドを入れることも出来ます。4番だけでは何か少し勿体無いような気がします。
ヘッド体積はどの番手でも大体同じです。前作から比較しても4番だけが小さくなっていますが僅かな違いです。
スリクソンZX MkⅡハイブリッドのイマイチな点
あまりネガティブなことはありませんが、強いて言うならセッティングの難しさかなと思います。今後試打会などで重めのカーボンシャフトを打ってから判断したいところです。
スチールシャフトの硬さと重さが打ちやすさの要因と言うことなら、ZX Mk2ハイブリッドはスチール推奨ということになりますが、重量のみに起因しているのであればより高評価となりそうです。
データチャート
飛距離が出なくても大して評価が下がらないハイブリッドだからこそ高評価を得たとも言えます。スピン量はセッティングが上手くハマれば一気に良くなるので試打は絶対にしてください。ただ、計測をしなくても“当たるかどうか”だけの判断で良いと思います。あとは方向性を見るだけなので選び方が難しいというわけではありません。


総合評価
デザインのかっこよさも相まってZX MkⅡハイブリッドは好印象でした。
こういうモデルはスリクソンユーザー以外が使っても違和感がないので多くの人にリーチすると思います。
ハイブリッドで引っ掛けないモデルを探している人にかなりおススメですし、スチールでハイブリッドを作りたいと言う人にもピッタリです。
おススメ度 (4.5 / 5)
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