タイトリストにアイアン型ユーティリティ登場
アイアンと同時にハイブリッドモデルを発売するタイトリストですが、アイアン型ユーティリティはゴルフ歴の浅い私の記憶にはありません。
もしかしたら初のアイアン型ですが、タイトリストのことなので何か意図があるのだと考えられます。
今回のアイアンのラインナップで気になることがありました。それは716、718で販売されていた飛び系の中空アイアンT-MBが無くなったことです。
中空構造にタングステンを配置して低重心化を図ったT-MBはまるでユーティリティのようなハイテクなアイアンでした。
しかも2番まで用意されていて、長い距離でもピンを狙える攻めた設計です。
このU500とU510はその代わりに登場したのだと私は思っています。
構造的には、インサート(充填剤)に極薄フェース、タングステン内蔵とかなり似通っています。
U500、U510は2、3、4番の三番手のみしかなく、度数で言えばU500とT-MBは全く同じです。
純正シャフトはMCIマットブラック70Sのみです。トルク値は3.4~3.8としっかりしたシャフトで、キックポイントは先中。
それでは試打データを見ていきましょう。
試打データ
U500(20°) × MCI Matte Black
ヘッドスピード | 49.6m/s |
平均キャリー | 226y |
平均トータル | 239y |
平均サイドスピン | 308rpmフェード |
平均バックスピン | 4554rpm |
平均打ち出し角 | 2.5 |
平均打ち上げ角 | 16.5° |
左右ブレ | 20y |
ロフトは20°で番手としては3番に当たります。
U500は、バックスピンが少なく、よく飛んでいると思います。
方向性はやや右で、サイドスピンはフェードしかかかりませんでした。先中調子だからと言って捕まるわけではなさそうです。
また、打ち出し角も右でヘッドとシャフトの両方が捕まり弱めなイメージだと試打していて感じました。
ブレは縦3y、横11yと割と良かったです。タイトリストのアイアンシリーズと同等の精度が出せると思いますので、慣れれば武器になるでしょう。
U510(22°) × MCI Matte Black
ヘッドスピード | 48.4m/s |
平均キャリー | 195y |
平均トータル | 204y |
平均サイドスピン | 855rpmフェード |
平均バックスピン | 6648rpm |
平均打ち出し角 | 2.5 |
平均打ち上げ角 | 19.2° |
左右ブレ | 25y |
こちらの試打クラブは22°の4番でした。
距離は正直期待できませんが、その分バックスピン量が非常に多いので上から落として止めるようなプレースタイルにフィットしそうです。
方向性はU500よりもさらに右で、私が試打している時もスライスが度々出る程でした。
ビジュアルで見る弾道
黄色がU500、赤がU510です。
見ての通り、打ち出しから右に出る弾道ですが、U500の曲がり幅は小さいです。
横から見た弾道では、黄色のU500の安定感が良く分かると思います。赤のU510は打ち出しの高さと頂点からの落下角の大きさが目立ちます。
どちらもアイアンのような弾道ですね。
U500・U510の価値
今まで試打してきた経験上、ハイブリッドは捕まるモデルがほとんどです。特にアイアン型ユーティリティは捕まりが強いです。
そんな中で、このU500とU510は捕まりを抑えた仕様で発売されました。
市場にはこのような方向性を求めているユーザーが一定数いると予想されます。
シャフトは70g台ですし、振り心地も結構ハードでヘッドスピードの速い私が打っても弾道がよじれたり吹くような感じはしませんでした。
70g台のハードなカーボンシャフトは、ホンマやピンのピンツアーシャフトくらいしかありません。純正以外となると一気に値段も上がるので正直入れたくなくなります。
ですから、U500・U510には純正でもスペックの高いシャフトと方向性が他のメーカーと差がつくところだと思います。
見た目の違い
上がU500でしたがU510です。
ロフト自体はU500の方が2°立っていますが、ソール形状的にすっきり見えます。
U510はソールが厚いため構えた時に見えてしまうので好みがかなり分かれると思います。
ヘッドサイズも明らかにU500が小さく、上級者だけでなく見た目を重視するプレーヤーに好まれそうです。
バックフェースのデザインは、なんだかP790にしか見えません。構造が似ているので仕方ないかもしれませんが…
こうしてみても上のU500はほぼアイアンです。顔の繋がりを考えるならやはりこちらの方が良さそうです。
いかにもアイアン型ユーティリティって感じです。
データチャート
満点が無いのは、U510があまりよくなかったからです。
飛距離はU500だけなら間違いなく満点の評価をしたと思います。また、スピン量はとらえ方次第なので、スピン過多が悪いというわけでは無く高評価。
一方で、捕まりにくいだけでなくコントロールも難しいので難易度は辛口の評価になりました。
総評
まずまず良かったですが、私は欲しくありません。
上記に挙げなかった欠点としては、打感の悪さです。T-MBと同じパチンという打音と硬めの打感はアイアンの延長とイメージにそぐわないと思います。
これで可変スリーブだったらテーラーメイドのギャッパーに対抗できますが、挿しっぱなしなのでそうもいきません。
どうしてもFWやハイブリッドを打つ自信がない、イメージが無いという方以外は普通のハイブリッドで良いでしょう。
特にタイトリストで揃えたい方でも、TS2&TS3のハイブリッドは非常に優秀なのでわざわざこれを選ぶ必要はないと考えています。
おススメ度
ちなみに、このモデルは特約店でないと入手できませんので、近くにそういった店舗が無いのであれば、US版の購入が無難です。
フェアウェイゴルフならシャフトの選択肢も多いです。












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