一定の需要がある小ぶりなレスキュー
ハイブリッドというと、どうしてもお助けクラブという認識がある人が一定数いると感じます。しかし、実際はそうでもなく同じような形状に見えて様々な特性を持った製品を各社一生懸命作っています。
小ぶりなハイブリッドはタイトリストやキャロウェイなど限られたメーカーが販売していますが、毎年出るわけではないので市場では影が薄い存在です。今回特集するステルスプラスレスキューは、前作SIM2レスキューの後継で、比較的長い歴史を持つテーラーメイドの小ぶりなハイブリッドです。
まずはデザインから見ていきましょう。






ステルスプラスレスキューのデザイン
ステルスプラスレスキューは、約100ccのヘッドボリュームに可変スリーブを備えたハイブリッドです。ロフトはストロング気味の17°、19.5°、22°のラインナップ。
今回は19.5°を試打しました。ソールデザインは、Vスチールソールで結構立体感強め。
後方にはウェイトが仕込まれています。
クラウンは網目模様が付いていますが、普通のステンレスです。これまでのテーラーメイドの小ぶりなレスキューも同様のデザインが施されてきましたが、なんか潔くないので残念。
構えると、意外と小さくも見えません。オープンフェースの方が気になるくらいで、特別小さくて変な意識が働くことはないでしょう。
ステルスプラスレスキューは、トゥ側から見るとやはり小ぶりとはいえ後方に少し伸びを感じます。
試打データ
ステルスプラスレスキュー19.5°純正カーボン
ヘッドスピード | 52.2m/s |
ボールスピード | 70.8m/s |
平均キャリー | 244y |
平均トータル | 258y |
平均サイドスピン | 302rpmドロー |
平均バックスピン | 4287rpm |
平均打ち出し角 | 0.6° |
平均打ち上げ角 | 16.2° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 50° |
左右ブレ | -9y |
平均飛距離はキャリーで244yでした。ロフトが19.5°ということを考えれば、これくらい飛んでも良いのかなという感じです。
打ち出し角が右で綺麗なドローに見えるかもしれません。しかし、実際はこの弾道に辿り着くまでかなり時間がかかりました。ステルスプラスレスキューは特性がわかりにくく、打ちこなすのは難しいです。
データだけ見てもあまり意味がないかなと思います。
ステルスプラスレスキュー19.5°純正スチール
ヘッドスピード | 52.8m/s |
ボールスピード | 68.5m/s |
平均キャリー | 236y |
平均トータル | 251y |
平均サイドスピン | 62rpmドロー |
平均バックスピン | 4150rpm |
平均打ち出し角 | -0.7° |
平均打ち上げ角 | 17.4° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 50° |
左右ブレ | -6y |
スチールシャフトになると、弾道、試打データはともに悪化してしまいます。平均キャリーこそ236yですが、こちらもあまり現実的ではないと考えています。
この弾道の通り、かなりばらつきます。ばらつきの要因は後述。
バックスピン量はカーボンシャフトでもスチールシャフトでも4000rpmを超えているので、ステルスプラスレスキューは低スピンモデルというわけでもなさそう。
ステルスプラスレスキューがイマイチな理由
特に多かったミスはダフりと引っ掛けでした。なんとなく小ぶりなモデルは引っ掛けないイメージを持っている人もいるかと思いますが、全然そんなことはありません。
特にステルスプラスレスキューは、ひどいです。小さい中に重心を設計するに当たって、低スピンの特性を持たせたかったんだと思うのですが、Vスチールソールをとても擦ってしまうという結果になりました。これではせっかくの抜けの良さもスポイルしていることになるでしょう。
データチャート
せっかく飛距離が出ていても、曲がってしまっては意味がない。ステルスプラスレスキューはあまり存在価値があるハイブリッドではありません。ただ、今作においてはステルスレスキューがとても高評価なのでそちらを買えば良いだけです。
総合評価
なしです。
小ぶりであることの弾道のコントロール性もなく、ただミスショットを量産するだけのハイブリッドでした。ステルスプラスレスキューは何に迷って設計しているのでしょうか。
おススメ度
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