キャロウェイの得意分野
キャロウェイというとこれまでも1世代でどれだけの種類のハイブリッドを出すのかと驚かされましたが、その中でも捕まりが弱いハイブリッドを作ることに長けていると思います。
他のブランドが中々作れない絶妙に捕まりにくいハイブリッドを出すので、ハイブリッドの引っ掛けが嫌な人はみんなキャロウェイを選びます。パラダイムシリーズでも数種類展開されていますが、今回は可変スリーブのパラダイムユーティリティを試打評価していきます。
パラダイムユーティリティのデザイン
パラダイムユーティリティは前作とはかなり違う特徴を持っています。例えばソール後方の形状ですが、これまでのレールとは逆に彫られたようなデザインになっています。
この形はパラダイムドライバーには見られないのでハイブリッドのために考えられているのでしょう。さすがハイブリッドメーカーキャロウェイです。
パラダイムユーティリティはこれまでのキャロウェイのハイブリッドと比べると全体的にボリューム感が薄いです。華奢なボディという印象ですね。
個人的に最も驚いたのがフェース形状です。パラダイムユーティリティは所謂FW系のフェース形状であり、これまでのキャロウェイで主流だった四角いフェースでは亡くなりました。正直かっこいいと思います。
クラウンは真っ黒です。実はパラダイムユーティリティはカーボンクラウンではありません。割と初期からカーボンクラウンを採用していたブランドなので意外です。
フェースアングルは少し開き目で、これはハイブリッドとしては良いと思います。オープンフェースの方が傾斜地でアドレスした時に引っ掛けにくいのと、視野が広がるからです。
試打データ
ヘッドスピード | 51.7m/s |
ボールスピード | 67.5m/s |
平均キャリー | 211y |
平均トータル | 222y |
平均サイドスピン | 210rpmフェード |
平均バックスピン | 5827rpm |
平均打ち出し角 | 2.7° |
平均打ち上げ角 | 20.8° |
最大の高さ | 59y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | 14y |
パラダイムユーティリティの試打クラブは5番なので、24°です。飛距離的には他のハイブリッドの試打データよりも劣りますが度数に対しては悪くないと思います。
パラダイムユーティリティを一言で表すなら“極右派”です。左に飛ばすことは文字通り不可能に近く引っ掛け覚悟の二球が上の画像の左二球です。これまでAPEXハイブリッドが一番引っ掛けないと言ってきましたが、パラダイムユーティリティはそれを超えていると思います。
弾道は非常に高く、飛ばしやすいハイブリッドではなさそうです。一番捕まえに行った弾道でキャリーが228yでしたがその一球以外は平均値に近いので、あくまで平均値の方が信頼できる試打データと言えます。
パラダイムユーティリティの良い点
- 左に飛ぶことがほぼない
- 飛びすぎない
- グリーンで止まりそう
- 番手選択肢が豊富
- 可変スリーブで細かく調整出来る
- デザインがシャープで良くなった
パラダイムユーティリティのイマイチな点
- あまりに右に飛ぶ
- 総合的に考えてやさしくはない
パラダイムユーティリティの差別化
パラダイムユーティリティの凄いところは、この極端とも言えるフェード、スライスバイアスを備えておきながらフィーリングは捕まってるという点だと思います。
そもそも右に飛ぶハイブリッドは「捕まらないなぁ」と感じるものですが、パラダイムユーティリティは「よし!これは真っ直ぐだ!」と感じながら右に飛んでいきます。本当笑ってしまいます。(めっちゃ褒めてる)
もう一つ、パラダイムユーティリティだけが持つ他のハイブリッドに無い利点は、開いてヒットするのにお尻を擦らないというところも素晴らしいです。他のハイブリッドはこの点をソールを短くしたりお尻をあげて対応していることが多いですがパラダイムユーティリティは一見普通に見せているところにデザインの奥深さが垣間見えます。
データチャート
パラダイムユーティリティのデータチャートを見るとあまり特筆すべき点が見つかりませんが、高評価です。安定性は左に飛ばない右への一方向性ということで理解してください。
ただ、需要としては非常にニッチですし、初心者が使うべきハイブリッドでないことは認識しておいてください。
総合評価
パラダイムユーティリティは独自性を極めているので、ライバルがもはやいません。引っ掛けないハイブリッドを通り越して右にしか飛ばないと表現してもあながち間違いではないでしょう。ただ、これだけの癖強クラブを絶妙に打てるように仕上げてくるキャロウェイのアイディア力と設計の上手さは息を呑みます。
引っ掛けないハイブリッドを探している人、これは買いです。
おススメ度 (4.5 / 5)
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