地味に良いハイブリッド
ハイブリッドは性能差が大きい訳ではないので、素材や構造よりもフィーリングが重視されるクラブです。だからこそ頻繁に買い替えないということでもありますが、名器が見つかれば長く使えます。
今回は2024年モデルのオノフKUROユーティリティウィングス(UT)を試打評価します。
オノフKUROユーティリティウィングスのデザイン
基本的にコンパクトでシンプルというのがKUROシリーズの特徴ですが、2024年モデルのKURO UTは特に小ぶりです。
トゥ側にウェイトがありますので多少の弾道調整機能を持ちます。標準が6gなので、軽くすれば捕まるように、重くすれば捕まりを弱められます。
クラウンは艶消しの黒です。クラウン部分にもパワートレンチがあって、デザイン的には前作とほとんど同じです。
ソールのフェース側のエッジは少し落としてあり、若干のバウンス効果が期待できそうです。
これまでのKUROユーティリティウィングスはスプーンでえぐったような形状でしたからかなりの変更点です。よりシンプルになりましたね。
試打データ
オノフKUROユーティリティウィングス5番(27°)×純正カーボンCBT624(S)
ヘッドスピード | 47.7m/s |
ボールスピード | 65.6m/s |
平均キャリー | 205y |
平均トータル | 215y |
平均サイドスピン | 181rpmドロー |
平均バックスピン | 5919rpm |
平均打ち出し角 | 0.5° |
平均打ち上げ角 | 21.3° |
最大の高さ | 57y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | -2y |
5番でロフトが27°と結構寝ています。クラシックロフトの5番アイアンと同じロフトで、飛距離も同じくらいです。その割にスピン量が確保出来ているのは初速が速いお陰です。
27°のヘッドとしては打ち上げ角度は低めですが、その分スピンがかかっているので結果的には高弾道です。方向性は弱いドローで、全体的にほんの少しだけ右に集まっているので引っ掛けとは無縁です。
オノフKUROユーティリティウィングス4番(24°)×純正カーボンCBT624(S)
ヘッドスピード | 47.5m/s |
ボールスピード | 65.6m/s |
平均キャリー | 216y |
平均トータル | 228y |
平均サイドスピン | 120rpmフェード |
平均バックスピン | 4855rpm |
平均打ち出し角 | 0.2° |
平均打ち上げ角 | 19.8° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 52° |
左右ブレ | 4y |
4番が24°です。バックスピン量は約1000rpm下がり、飛距離も10y伸びました。絶妙な距離フローです。ユーティリティは全番手入れることはないのでそこまで厳密に距離の差が作られている必要はありませんが、出来ているに越したことはありません。
弾道はストレートフェードです。オノフKUROユーティリティウィングスはとにかく左に飛ばないので安心して捕まえていけます。
不思議なのが初速です。5番と4番でロフト差が3°あるので多少の違いは出ると思いましたが、平均値は全く同じという結果になりました。
オノフKUROユーティリティウィングス3番(21°)×純正カーボンCBT624(S)
ヘッドスピード | 48.1m/s |
ボールスピード | 66.3m/s |
平均キャリー | 230y |
平均トータル | 244y |
平均サイドスピン | 33rpmストレート |
平均バックスピン | 3973rpm |
平均打ち出し角 | 1.8° |
平均打ち上げ角 | 18.7° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 50° |
左右ブレ | 6y |
21°のハイブリッドとしたら、高い飛距離性能です。平均キャリー230yで、縦ブレが3yという高い安定性です。横ブレも6yと優秀です。
安定性という単純な言葉で片付けたくないくらいの強い位置方向性です。それもほとんどセンターライン上なのがすごいです。
オノフKUROユーティリティウィングスの良い点
- 縦ブレ、横ブレ共に極めて小さい
- 番手間の距離の差がちょうど良い
- スピン性能が高い
- 引っ掛けない
- 小ぶりでかっこいい
オノフKUROユーティリティウィングスのイマイチな点
- 難易度が若干高い
オノフKUROユーティリティウィングスのここが推し!
オノフKUROユーティリティウィングスは3番と4番が角溝になっています。
私も知らなかったのですが、25°以下のロフトでは角溝OKらしくスピンを確保するためにKUROでも採用したそうです。逆に言えばそれを考慮した5番のスピン設計とのバランスも良く出来ているなと感心します。
長さが実は違う
オノフKUROユーティリティウィングスは若干短く設定されています。60°法での計測で同ロフト比較しても0.25~0.5インチ短くしてあります。
短くて小さいヘッドだからこそ、アイアンのように打つことが出来ると思います。
データチャート
安定性、スピン量は満点の高評価。やさしさだけ少し減点ですがそれ以外は満足です。ロフトの選択肢と、見事な番手間の距離フローは他のモデルにはない魅力だと思います。
総合評価
一球目を打った瞬間から感じていましたが、2024年モデルのKUROユーティリティウィングスは名器です。シンプルな形状、可変機能、スピン性能は他のブランドのドライバーやアイアンとも上手くつながると思います。
通なクラブではありますが、ドライバーやアイアンに興味がなくても是非打って欲しいです。私もクラブセッティングに入れようと考えています。
おススメ度 (5 / 5)
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