松山選手御用達のZX5ドライバー!
これまでテーラーメイドのM5ツアーやSiM MAXなどをツアーに投入してきた松山選手ですが、スポンサーであるスリクソンのドライバーを毎モデルテストはしているそうです。
しかし、イマイチ決定打に欠けるのか、スリクソンのドライバーをエースとして使うことはありませんでした。しかし、今作ZX5ドライバーは、全米オープンにも投入する程の本気度の高さ。全米ではいつものDIやXCではなく、たまに使うGPを組み合わせている様子。
スリクソンのプロモーション動画でも、松山選手の感触の良さを見て取れます。
世界で戦う松山選手が使用することは、スリクソンにとっては非常に意義深いことだと思うので、今回の試打レビューでは、なぜ松山選手がZX5ドライバーを選んだのかなどを考察していきたいと思います。
試打データ
ヘッドスピード | 53.9m/s |
ボールスピード | 76.5m/s |
平均キャリー | 293y |
平均トータル | 313y |
平均サイドスピン | 14rpmストレート |
平均バックスピン | 2827rpm |
平均打ち出し角 | -0.9° |
平均打ち上げ角 | 13.8° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -3y |
最高飛距離キャリー298y、トータル318yという飛距離性能の高さが魅力的です。中々キャリー300yは出ませんがこれなら十分だと思います。この時のバックスピン量は2734rpmで、打ち上げ角は14.2°とZX7よりバックスピンは少なく低い打ち上げになりました。
サイドスピンは、最高で125rpmという完全なストレート弾道です。ZX5ドライバーは、ピンG410プラス以来のストレートな球が打てるドライバーということになるでしょう。
平均初速がZX7よりも1m/s速かったのは、フェースの向きだと思います。ZX5ドライバーは、勝手にフェースが閉じることもなく、かといって開いてしまうこともない不思議な挙動を示します。
打ち出し角は、ストレートからやや左になりやすいと思います。
ビジュアルで見る弾道
ZX5ドライバーの弾道はやや低めになりやすい弾道で、引っ掛けることはありません。
松山選手がこれまで長く使っていたM5ツアーもSiM MAXも捕まりの弱いドライバーという印象が強いので、この点においては、ZX5ドライバーも当てはまっていると私は考えています。
純正シャフトは50Sなのですが、60SのZX7よりも低い弾道になりました。
他社製品と比較して
ZX5のポジションは、TR20 460の左あたりだと思います。今見るとSiMの位置が変です(笑)
各種重量
ヘッド重量194.5g、スリーブが7gなので、トータル201.5gです。
ZX5ドライバーは、ソール後方にウェイトポートがあります。
このウェイトの重さは8gでした。スピンを減らすのであれば、このウェイトを軽くしてあげることが効果的です。
ZX5ドライバーの優れていること
弾道を見ても分かる通り、安定性です。
ZX5ドライバーのコンセプト自体は、形状にも表れていますが、直進性だと思います。前作の500シリーズのようにヒール側にウェイトを置いていないあたり、捕まりは明らかに抑えていると感じました。
ウェイトを後ろに配置することによって、慣性モーメントを高める狙いもありそうです。実際、かなり振っても弾道は安定していて、特にフェースの向きがほとんどブレない安心感が強いです。
ZX5ドライバーを松山選手が使用している理由は、方向性がM5ツアーやSiM MAXに似ているだけでなく、この安定感なのではないかと思います。
もちろん、世界レベルのプレーヤーであるから、コースでOBなど出すことはほとんど無い訳ですが、安心感って非常に大切な要素だと思うのです。
世界トップ10の平均飛距離は軒並み300y超え、ステージによっては平均で320yを超えることも多々あります。そんな異常な世界で安心感のあるドライバーを使うからこそ振り切れるのです。結果として高い平均飛距離を記録しているわけですから、彼にとっては何か確信している部分があるのだと思います。
ZX5ドライバーの価値は、絶対的な飛距離というよりもそこにあるのではないでしょうか。データを見る限りSiM MAXやM5ツアーの方が飛びますから。
貴重なヘッド
ZX5ドライバーのヘッドだけで考えると極めてニュートラルな方向性であることが特徴として挙げられます。
様々なシャフトとの組み合わせも自由自在で、相性を考える必要が無いというのは魅力的に思えます。今使っているお気に入りのシャフトがあるのであれば、そのままリシャフトすればよいです。
また、打感が良く、カーボンの乾いた音とマッチして非常に気持ちが良いです。個人的にかなり魅力的に感じる部分です。テーラーの温かみの無い打感と大きく違うことも松山選手が求めたものなのかもしれませんね。
カスタムの可能性
ZX5のヘッドの素性の良さは既にお話していますが、カスタムシャフトを組む際は、弾道の高さに注意したいところです。打ち上げ角があまり高くならないので、”低めの中でも高め”となるシャフトがベストだと思います。
ツアーAD IZ、レジオフォーミュラB+、テンセイCK PROオレンジなどです。このラインのシャフトは多くの人にとって使いやすくなると思います。
ハードヒッターならさらに下のツアーAD TP、クロカゲXTなども候補になります。このエリアに入っていなくても、ご自分のお気に入りのシャフトと組み合わせて失敗することは考えにくいです。
もちろん、シャフト重量をあげるなら、真ん中よりも上のエリアのシャフトでも大丈夫です。
データチャート
ZX5もキャリー300yを超えれば飛距離も満点の評価にしましたが、ここは伸びしろということで。特筆すべきは安定性。スピン量はもう少し少なければ評価も上がったでしょう。ただ、シャフトでどうにかなるので、満点でないだけであまり神経質になる必要はありません。
総評
松山選手が使うのも納得です。当初情報だけ仕入れていた段階では、Z500シリーズの流れを考えるととても理解できませんでしたが、打ったらなんとなく分かった気がします。
ZX5ドライバーは、これまでのシリーズの流れからは明らかに異なるヘッド特性を持っており、飛距離性能、方向安定性、スピンレベルどれをとっても高評価の完成度の高いドライバーに間違いありません。
おススメ度





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