高慣性モーメントとは
最近のドライバーは高慣性モーメントと書いておけば良いとでも思っているかのごとく馬鹿の一つ覚えみたいに宣伝しています。
ただ、これまで様々な高慣性モーメントを謳うドライバーを試打してきましたが、初速を諦めたモデルが多いように感じました。初速は素材に強く依存してしまうためか、コストがかかるからか、キャロウェイやタイトリスト、PRGR以外のメーカーが高慣性モーメントに逃げているように見えてきました。
2021年モデルのヤマハRMX VD59は慣性モーメントの限界値5900g・㎠に近い5820g・㎠です。それがモデル名VD59の由来です。
それではヤマハRMX VD59ドライバーの試打データを元に評価していきたいと思います。



RMX VD59ドライバーのデザイン
いかにも曲がらなそうなデザインです。クラウンは後方に伸び、フェースは少しオフセットしてあります。しかもカーボンクラウンになった上にグレーにカラーリングされていて若干反射が気になります。
ソール後方には新採用の可変ウェイトが装着されています。
重心角が大きく変更できるので、結構効果あり。
トゥ側から見ると、かなりシャローバック。VDドライバーよりもシャローになっていると思います。
ヤマハRMX VD59ドライバーのフェース形状は前作からあまり変わっていないように思います。
構えてみるとこんな感じ。ヒールがわがやや膨らんでいるように見えます。若干フック気味です。
試打データ
ヘッドスピード | 54.0m/s |
ボールスピード | 75.7m/s |
平均キャリー | 291y |
平均トータル | 311y |
平均サイドスピン | 13rpmフェード |
平均バックスピン | 2759rpm |
平均打ち出し角 | -4.1° |
平均打ち上げ角 | 16.5° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -21y |
平均値をみると良く見えると思います。しかし、実際は1球だけキャリー311yというのがあるだけで、基本的にキャリー280yくらいしか飛びません。
方向性はほぼストレートで、サイドスピンはあまりかかりません。特にスライス回転は壁があるように上限値があって、右へ飛ばない安心感が欲しい人にはぴったりだと思います。
ヤマハRMX VD59ドライバーの特徴はミスの傾向がわかりやすいという点です。大体吹け上がるのですが、飛距離がキャリーで260y。3Wくらいの飛距離です。
飛ばそうと思えば飛びますが、結構大変。何も考えずに飛距離を出せるモデルではないと思いました。
違和感ある感触
慣性モーメントが高いと自称しているモデルの中でも、感触的にはヘッドの動きを感じにくいモデルとそうでないモデルがあるように思います。
ヤマハRMX VD59ドライバーは、前者に位置すると思います。これがわかりやすい表現かは分かりませんが、シャフト軸の回転がなくしなり戻り方向に強い力がかかるようなヘッド軌道です。
データチャート
データチャートでは唯一安定性だけは高評価しました。比較的高評価だったVDの方と比べると全体的な仕上がりに面白さがありません。
ただこのVD59ドライバーの安定性ですが、同じ飛距離が出せる3Wと比べたら安定性も大したことがないので価値を見出すのは困難と言えるでしょう。
総合評価
ヤマハのドライバーは個人的に好みのモデルが多いですが、RMX220、VD59とイマイチなモデルが続いています。
飛距離性能はVDドライバーに任せるとしても、VD59特有のメリットは特にないため存在価値を感じません。
おススメ度


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