ようやく登場RMXシリーズの後継
数々のリーク画像が出ていたヤマハの新作「VDドライバー」。ヤマハのプロトタイプは大体真っ黒にしてあるので、凄くかっこいいのですが販売されるモデルは結構派手になりがち。
2021年秋に登場したヤマハRMX VDドライバーもこれまでのRMXシリーズ同様、赤と黒を基調としたデザイン。
私がいつも言っている“モデル名が変わると名作になる”説にヤマハVDドライバーが当てはまるのか、解説・評価していきましょう。


ヤマハVDドライバーのデザイン
ヤマハVDドライバーのソールデザインはこんな風になりました。
結構グロいというか、奇抜なデザイン。ガンダムとか、エヴァとかに出てきそうな雰囲気を醸し出しています。UD+2のクラウンに施されているいるアミアミのようなパターンです。
ヤマハVDドライバーになって変更されたことの一つがクラウンです。VDドライバーではカーボンクラウンになりました。しかも、黒ではなく少し白けたカラーになっていて、カーボンパーツと金属のパーツのカラーにメリハリがあります。
そしてもう一つがこちらのウェイトギミック。20gの可変ウェイトがスライドします。レールにはギザギザが付いていて位置決めしやすくなっています。
VDドライバーで新採用のこの可変ウェイトはソールトゥ側に配置されていて、調整幅はこのくらい。もう一つのVD59ドライバーには備わっていないギミックになります。
フェースは、初めて見た時に「ちっさ」と思うほど。VDドライバーになってからこの辺りも全く別の考え方で作られているように感じられます。フェース形状はV字になっています。
試打データ
ヘッドスピード | 50.3m/s |
ボールスピード | 71.9m/s |
平均キャリー | 289y |
平均トータル | 312y |
平均サイドスピン | 119rpmフェード |
平均バックスピン | 2153rpm |
平均打ち出し角 | 0.1° |
平均打ち上げ角 | 16.9° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | 9y |
やや特殊な試打データになっているので説明します。まず、いつもよりもヘッドスピードが低いですが、これはこのタイミングが一番うまくヒットしたからです。フィーリングのところでまた解説します。
ヤマハVDドライバーの初速性能としては、ヘッドスピードに対してはそこまで悪くないかなと思いました。平均ミート率も1.43と比較的高い水準。
さらに、バックスピン量は少なく全て2100rpm台でした。最高飛距離はキャリーで292y。海外ブランドのような飛距離性能ではありませんが、ブリヂストンやスリクソンよりはVDドライバーは“飛ばしやすい”ドライバーと評価しています。
方向性は、完全に右です。しかもこのVDドライバー、引っ掛けなくて、捕まりもしないという稀なタイプ。フッカーにはもってこいの特性です。捕まえようとすると、ヘッドが暴れるのでそういう打ち方の人は合わないでしょう。これはかなり感じるというか、性格のキツいタイプの子です。
弾道は比較的安定しています。ただ、私のいつもの打ち方ではフィットしなかったので、私と意見が合う人はこのドライバーが合わないと思います。
ヤマハVDドライバーのフィーリング
非常に稀な特性を持ったドライバーというのはすでに少し説明しました。ではどんな風に特殊なのか。
それは、フェースローテーションが少なくて、ダイナミックロフトは寝る方向に動きやすいというものです。もう少し説明が必要ですね。フェースローテーションはシャフト軸方向に回転することを指しています。
一方のダイナミックロフトは、フェースが上を向く状態になりやすいのです。つまりこの二つが組み合わさると、右に打ち出してスライスするヘッドが出来上がるということですね。ヘッドの動きはこんな感じ。
次に打感ですが、VDドライバーの打感は割と良かったです。どちらかと言うと金属系の感触が勝ちますが、今までのフルチタンとはだいぶ違いますね。まぁでもカーボンクラウンぽさと言うか、コンコン籠る音ではないので、さすがヤマハと褒めたいです。
ヤマハVDドライバーのイマイチな点
ズバリ、音です。
「え、音褒めたばっかじゃん」と言われそうですが、打音ではありません。振り上げる時の風切り音です。以前もSIMドライバーの時に同じ現象が起こりましたね。
名前を変えてくるフルモデルチェンジではたまに見かけます。振り上げる時にフォーンって音が出るのがやや不快でした。慣れれば何とかなるとは思いますが、ファーストインプレッションとしては最悪。
この画像だと見えにくいですが、赤いラインが伸びているところあたりでカクッとプレスラインが入っていて、ここか、ウェイトギミックのDの文字あたりの角が音の原因ではないかと思われます。
おそらく外で打つ分には大して気にならないかもしれませんが、最近はインドア練習場がメインの人もいるでしょうから、試打して確かめることをおすすめします。
VDドライバーのここが気に入った
顔です。
私は、女性もクラブも顔と性格のキツさに惹かれるのですが、VDドライバーの面構えは魅力的です。これでもかと言うくらいのオープンフェースで、捕まえるビジョンが見えません。これまでのヤマハのドライバーだと116は捕まりが弱いディープフェースでしたが、ここまで開いてはいませんでした。
ヤマハVDドライバーは“男をやる気にさせる顔”を持つドライバーですね。
ただ一点、カーボンクラウンは若干反射が多くて慣れるまではうるさいのでこの辺りも試打で確かめた方が良さそうです。
データチャート
ヤマハVDドライバーの一番評価が高い項目はスピン量でした。バックスピンが安定して低いことと、サイドスピンも極めて少ない点から最高評価としました。
ただ、飛距離性能はもう少しあったら良いなぁと言う感じです。歴代だとRMX118が平均で296y飛んでいたのでヤマハ自体は飛距離性能が低いメーカーではありません。捕まりが良ければ私の場合思い切り振っていけるので確実にキャリー300yは出せたかなと思います。
総合評価
好みが分かれると言うのは間違いないと思います。全く万人受けする要素はありません。
ですから、試打が必須であること、フッカー向けであること、うまく当てればかなり低スピンであることを承知した上で検討することをおすすめします。今回、このVDドライバーはVD59よりも値引き率が低いモデルとして発売されます。
この辺りややムカつくのですが、VDドライバーを欲しい人、バチバチに合う人は一定数いるので悩ましいです。本当に試打して欲しいドライバー。
おススメ度


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