高慣性モーメントモデル
ヤマハはRMX220から慣性モーメントを高めた巨大なヘッドのモデルをラインナップするようになりました。これまでのヤマハと比べるとかなり異質だったとは思いますがそれももう3世代目に突入です。
2023年モデルのヤマハの高慣性モーメントドライバーはVD/Xというネーミング。アイアンもネーミングが統一されたのでそれが狙いでしょう。今作はネジで付け替えるタイプの可変ウェイトを搭載しています。
今まで可変ウェイトを採用してこなかったヤマハがいきなりドライバー3モデル全てで可変ウェイトを備えるとは驚きです。
ヤマハVD/Xドライバーのデザイン
2023年のヤマハVDドライバーシリーズはどれもソールは完全にフラットでモデル名もこれでもかというくらい小さいです。
私が散々言っているデカいロゴのダサさを指摘するようで素晴らしいです。ホーゼルのところに小さくVDの文字が書かれているくらい。シンプルは正義です。
ウェイトは4つのポジションが選べて、標準はここです。一応センターと書いてありますが、この位置が最も慣性モーメントが高いです。他のポジションでも軒並み高い慣性モーメントではありますが。
私の目が見慣れただけなのか、前作や前前作ほどはヘッドサイズ、形が気になりませんでした。フェースは少し閉じています。
試打データ
ヤマハVD/Xドライバー10.5°×純正テンセイS
ヘッドスピード | 51.5m/s |
ボールスピード | 74.5m/s |
平均キャリー | 281y |
平均トータル | 303y |
平均サイドスピン | 974rpmドロー |
平均バックスピン | 2291rpm |
平均打ち出し角 | -1.8° |
平均打ち上げ角 | 15.5° |
最大の高さ | 43y |
落下角度 | 43° |
左右ブレ | -68y |
高慣性モーメントのドライバーやスライサー向けドライバーはキャリー290yを平均で越えれば満足としていますが、VD/Xドライバーは281y。最大キャリーが290yに留まっています。
安定性を感じることはあまりなく、引っ掛けが止まらないのが気になります。打ち出しの角度はさほど急ではありませんが、サイドスピンが常に高い数字で、1000rpmを超えることはザラ。
飛距離が出ない理由は極めてシンプルで、初速が低いことです。平均で74.5m/s、最高でも74.8m/sは低すぎる。これでは誰が打っても飛びません。スピン量は悪くなく、今作のコンセプトである「低スピンエリアと高初速エリアの一致」を最も感じるモデルとなりました。
ヤマハVD/Xドライバーの良い点
- デザインが良くなった
- スピン設計は絶妙
- 打感が良い
ヤマハVD/Xドライバーのイマイチな点
- 初速が低い
- 引っ掛けが止まらない
- お尻を擦る
- トゥヒットしやすい
ヤマハVD/Xのフィーリング
振り心地という点においては、悪いです。この手のドライバーにありがちなお尻こすり現象とトゥダウンが頻発します。
ただ打感だけは良く、そこは他社製品との差別化にはなっています。今回10.5°での試打だったので、9.5°ならもう少し初速は出ると思いますが、出たとて75.5m/sが良いところですから結局飛ぶことはないでしょう。
ヤマハVD/Xドライバーのセッティング
ポジションはRMX220の真下です。ヤマハは“捕まる”の概念が他社よりも極端な気がします。
どのシャフトと組み合わせてもあまり意味はないと思いますが、ストレートくらいのシャフトが限度でしょう。硬くしてトゥダウンを防げば良くなるかもしれませんがそこまでするなら別のヘッドをおススメします。
データチャート
飛距離性能と安定性は低評価ですがスピン量はなかなか良いです。ただヤマハはもう少しマイルドに捕まる仕様を目指してほしいなと思います。
総合評価
まぁターゲットから逸脱した私の評価に価値があるとは思っていませんが、初速が出ないことだけは確定しているのでそれがネックです。
デザインやコンセプト、可変機能なんかは良いので次作に期待したいと思います。
おススメ度 (1.5 / 5)
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