ヤマハと言えば小型ヘッド
ヤマハのドライバーは個人的に好きなモデルが多く、特にRMX116やRMX118はいまの基準でも飛びますし名器と言って良いでしょう。
2023年モデルのヤマハはこれまでの2モデル展開から一転して3モデルを発表。まさかそんなに出してくるとは思っていなかったので驚きました。そしてその最大のトピックが435ccのVD/Rドライバーだと思います。
可変ウェイトを搭載した小型ヘッドはデザインも素晴らしく売れそうな予感がします。早速VD/Rドライバーのデザインを見てみます。
ヤマハVD/Rドライバーのデザイン
ヤマハVD/Rドライバーは前方に左右方向の可変ウェイトが搭載されています。ソールはフラットでシャローバック。
モデル名が非常に小さく描かれているのみで、洗練されたデザインです。日本のブランドはやたら赤を使いますが、VD/Rドライバーの赤い差し色はダサくないです。
VD/Rドライバーはソールの湾曲が大きく、立体的です。このような立体感だとフェースが開きそうなイメージがあるかもしれませんが、VD/Rは極めてスクエアでした。
上の画像は10.5°を2°立たせているので少し開いていますが、おそらく9.5°の標準ポジションならスクエアになると思います。
試打データ
ヤマハVD/Rドライバー10.5°(-2°)×純正テンセイS
ヘッドスピード | 53.0m/s |
ボールスピード | 75.8m/s |
平均キャリー | 294y |
平均トータル | 315y |
平均サイドスピン | 662rpmドロー |
平均バックスピン | 2412rpm |
平均打ち出し角 | -2.3° |
平均打ち上げ角 | 15.9° |
最大の高さ | 49y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -57y |
本来はVD/Rドライバーに純正シャフトの設定はありませんが、かといってカスタムシャフトの試打クラブもなかったので仕方なく純正で打ちました。初速は今作の中では最も速く、最大で76m/s。
ただ曲がり幅はかなり大きく実用的な範囲は超えてしまっていると思います。バックスピン量は安定しないものの、2000rpm〜2700rpmくらいには収まるのでカスタムで組めば化けそうな感じがします。
最大飛距離はキャリー296yです。平均値から遠くないことからも分かるように、キャリーは安定して290yを超えます。今作のコンセプトでは、打点設計が見直されたことにあると思います。これまでよりも高い低スピンのエリアで初速が出るようにしているらしいですが、絶対的な初速性能があまり高くなかったので結果としては飛距離性能は低いです。
ヤマハVD/Rドライバーの良い点
- デザインがカッコいい
- カスタムで化ける素質
- 打感が良い
- 可変ウェイトが使いやすい
ヤマハVD/Rドライバーのイマイチな点
- 初速が出にくい
- 安定性が低い
- 試打クラブが充実していない(10.5°しかない)
ヤマハVD/Rドライバーの打感
独特なフェース形状をしています。打感は他のVDシリーズ同様柔らかくて心地よいです。
ただ、打感を得られるエリアは小さく、かと言って初速が常に高いわけでもありませんでした。打点設計に着目しているのは本質的で良いですが、まだまだ改善できると思います。デザインが良いだけに勿体無いですが、今後の進化の可能性に期待します。
試打クラブ問題
最近のヤマハは試打クラブがあまり充実していません。
前作もそうでしたが、大きい店舗でもロフトが10.5°だけしか置いておらず試打環境をうまく作れていない印象があります。今回のVD/Rドライバーの試打でも9.5°だったらもっと初速も出るだろうしスピンも減って上手くいけばキャリー300yにも達していたかもしれません。
特に限定ヘッドで、浅重心のVD/Rはターゲットを絞ったクラブなので9.5°のみのラインナップないしは、9.5°のみの試打クラブ投入でも良かったと思います。
試打して好感触を得ることが出来ればヒット作になることがあるゴルフクラブにおいて、試打クラブや試打シャフトのチョイスは非常に重要です。正直シャフトが打てなくてテーラーメイドかキャロウェイにしている人も大勢いますから、取り逃しが発生しているブランドは多いのです。
VD/Rドライバーのセッティング
ヤマハVD/Rドライバーはマトリックスチャートではエピックフラッシュスターの右下あたりです。捕まりは良いですが今回打ったシャフトがVD/XやVD/M用の純正であり、完全にヘッド特性を引き出せているとは言えないためそのような判断をしました。
スピン量ももう少し下のエリアでも良いかなとは思いますが試打クラブがないので不明瞭です。
組み合わせるシャフトは右下のエリア、ツアーAD DIやスピーダーTRくらいが良いでしょう。テンセイの白系も悪くないと思います。
データチャート
性能面ではスピン量だけは評価しても良いかなと思います。もっと初速が出ないと海外ブランドからの乗り換えはないでしょう。同日計測でステルス2プラスを打ちましたが平均で77m/sくらい出ていたのでやはり劣っています。
総合評価
3モデル展開は素晴らしい試みだと思うので評価したいです。
しかし、試打クラブが不足していることやそのチョイス、ラインナップの棲み分けが中途半端なのでマーケティング面での雲行きが怪しいです。また、性能的には過去作を超えているとも言えず、私の試打データで平均300yを超えていないのでそこは伸び代があります。
ただ打点設計に重きをおいていることは良い着眼点だと思いますから、あと数世代で飛躍する気がしています。デザインは変わらずカッコいいものを作り続けてほしいですね。
おススメ度 (2.5 / 5)
コメント