430ccも実は変わっている
タイトリストのドライバーのラインナップで地道に続いている小ぶりなモデル。タイトリストTSR4ドライバーはその最新モデルです。
こういった小ぶりなモデルは毎作出さないメーカーも多く、タイトリストのように定期的に更新するのは稀です。そう言った意味でTSR4ドライバーは伝統のある小ぶりなドライバーという位置付けが正しいと私は考えます。
今回はTSR4ドライバーを試打データをもとに評価していきます。


TSR4ドライバーのデザイン
タイトリストTSR4ドライバーのソールデザインはこんな感じです。
これまではどちらかというと3系のモデルに近かった印象ですが今作は明らかに2よりのデザイン。TSR4ドライバーにはTSR2と違いウェイトはソール上にも配置されています。
TSR4ドライバーもクラウンまでフルメタルで、この辺りは多分一生変えないんでしょうね。
ソールは真っ平らで、後ろのウェイトが座りやヘッド形状に影響しているのがわかります。
TSR4ドライバーに付いているウェイトは両方とも可変なのでカスタマイズ可能です。
この画像がTSR4ドライバーを最も印象付けるのではないでしょうか。明らかに前作までの形状とは違うと感じます。ソールデザインがTSR2に似ていると言いましたが、何より面構えがTSR2にそっくりなのがTSR4ドライバーがこれまでのタイトリストの小ぶりなモデルと一線を画す所以。
つまりTSR4ドライバーは、小さいTSR2のようなクラウン形状だということです。
試打データ
TSR4ドライバー9.0°×ツアーAD DI6S
今回はいつもと違う計測環境なので全てトラックマンでのデータとなります。

ditsr4
初速は80m/s近い数字を連発しました。初速に関しては試打環境の差が出にくい項目なのでこれは素晴らしいと思います。バックスピン量は2200rpm付近で収まることが多いかなと思います。
少しトップしてスピンが増えましたがこちらもキャリー300yは余裕で超えます。小さいヘッドではありますが、そこまでばらつく感じはしません。
トップした後なので意識しすぎて少し上っ面に当たりましたが、これでもスピン量は2050rpmです。この3球を見てもらって分かる通り、方向性はおそらく左です。小ぶりなヘッドによくある飛び方だと思いました。
TSR4ドライバー9.0°×ツアーAD IZ6S
比較的ニュートラルなIZでの試打データです。相性はどちらも良かったのでTSR4ドライバーはシャフトを選ばないという利点があると思います。

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初速は相変わらず高く、最高キャリー309yでした。スピン量は少ないですが、ドロップするほどヘッドが地面スレスレを通ることはなく、私の場合60g台のシャフトであってもトップのミスの方が多いくらいでした。
DIよりもIZの方がやや右に集まり、ストレート弾道に近くなりました。この試打データもトップしています。油断すると高さが出ないのでアッパーを意識してしまうの可能性はあるのかなと思います。
TSR4ドライバーの特徴
- 方向性はニュートラル〜やや捕まる
- 低スピン
- 低中弾道
- シャフトを選ばない
- ミスをするなら恐らく左
- ダウンブローヒッターでも飛ばせる
TSR4ドライバーの特異な点
他のドライバー、もっと言えば他の小体積ヘッドと何が違うかと言われれば、方向性がマイルドだという点です。前作や全前作ではややピーキーな左右方向性がありましたが、TSR4ドライバーはその点どっしり安定した軌道に導いてくれます。
これは形状による影響もあるのだと思います。上がTSR4ドライバーで、下がTSi4です。TSi4ではお尻が少しだけ上がっていて、TSR4ではペタッと着陸します。
これは重心設計との組み合わせが要で、後ろに重心が偏りすぎてお尻だけ擦るとそれだけで低評価になります。TSR4はその辺り、上手に仕上がっています。さすがタイトリスト。
これによって低重心特有のダフり(厳密にはソール全面では擦らない)が起きたとしても急激にローテーションが進まないなどメリットがありますし、そもそもヘッド軌道が安定しやすいので効果が絶大だと思います。やはり安定性重視のTSR2と似た形状をしているのは伊達じゃありません。
TSR4ドライバーの打感
驚いたのが打感の違いです。TSR4ドライバーはTSR2やTSR3とは少し違った打感、打音です。
TSR4ドライバーの打感はなんというか湿った感じが少なく、よく響きます。TSR4ドライバーのシャキシャキした打感はどちらかというとTS3やTS2の世代に似ていると感じました。同じチタンのTSiシリーズやTSRにはない感じです。
TSR4ドライバーのセッティング
TSR4ドライバーはマトリックスチャートで言えばTS4とかなり近い位置になるかなと思います。
一作おきに似たモデルが出るというセオリー通りになりやすいタイトリストらしい配置と言えそうです。TS4と比べると安定性がかなり増しているのでその違いはあります。
合うシャフトはほぼ全領域と言って良いと思います。実はマトリックスチャートでセンターに近いモデルでもどんなシャフトとも相性が良いヘッドはレア。IZやDIはどちらもドローセッティングになりましたが、フェースアングルや動きを考えてもフェードセッティングも作れると思います。
データチャート
TSR4ドライバーはそもそも万人受けさせることを狙っていないので全てが高評価という訳ではありませんが、ニッチなモデルとしてはかなり高評価が多いと思います。安定性は偏差値60くらいで、もちろん形状を考えれば素晴らしいのですがTSR2には敵いませんから、このくらいにしておきます。

総合評価
一番びっくりしたのは打感が他のTSRと違ったことです。
TSR4ドライバーは、TSR2&3の打感が気に入らなかった人に好まれる可能性があるので、検討してみても良いかもしれません。また、これまでの小ぶりなシリーズとは違って2系に近い特性と形状なので全く新しいユーザーにもリーチするのではないでしょうか。
さすがとしか言いようがない仕上がりです。


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