今年はどんな仕上がりか
ニュートラルなドライバーを作るのが得意なのがタイトリスト。特にD3の流れをくむTS3、TSi3は名器でした。
2022年モデルはTSR3ドライバーが登場。460ccのフルメタルドライバーで、TSiで採用したATIを引き続きフェースに使っています。そもそも飛距離性能が高いドライバーでしたから伸び代などほとんどないようにも思いますが、逆に言えばそこが楽しみなわけです。
今回はTSR3ドライバーを様々なシャフトを組み合わせて試打してみましたのでそれをもとに評価していきます。

TSR3ドライバーのデザイン
TSR3ドライバーのデザインはよりシンプルになりました。ロゴは小さく、空気抵抗の少なそうなソールです。
ソール後方には可変ウェイトが装着されています。形状はTSi3と同じだと思われます。TSR3になって大きな変更はありません。
5つのポジションが選べます。今回の試打では全てノーマルポジションで計測をしました。
この可変ギミックはコンパクトなのでシャローバックになります。
ヘッドの投影面積は小さめで形状はまさにタイトリスト伝統のもの。絶対に変えないポイントを持っているというのは非常に好感が持てます。
TSR3のロゴは非常に小さいです。
試打データ
TSR3ドライバー9.0°×TSP310(S)
ヘッドスピード | 55.2m/s |
ボールスピード | 78.4m/s |
平均キャリー | 307y |
平均トータル | 328y |
平均サイドスピン | 440rpmドロー |
平均バックスピン | 2496rpm |
平均打ち出し角 | -0.1° |
平均打ち上げ角 | 15.3° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -31y |
TSR3ドライバーは素晴らしい初速性能です。純正シャフトのうち60g台と結構重く仕上がっているTSP310でも平均で78.4m/s、最高で79.1m/sという超高初速。ゆえに飛距離性能も高いです。
ドロー回転がしっかりかかっているのが分かると思います。曲がり幅はやや大きいですが、問題になるほどでもないかなと思います。ドローが強い割にバックスピンがかかるのがTSR3ドライバーの特徴と言えそうです。
安定性は純正シャフトにおいては比較的高いと思いますが、慣れるまでには少々時間がかかったのも事実。誰が打っても簡単に安定するというタイプではありません。最高飛距離はキャリー308yでした。
TSR3ドライバー9.0°×TSP111(S)
ヘッドスピード | 55.2m/s |
ボールスピード | 78.5m/s |
平均キャリー | 304y |
平均トータル | 324y |
平均サイドスピン | 572rpmドロー |
平均バックスピン | 2571rpm |
平均打ち出し角 | 1.9° |
平均打ち上げ角 | 15.0° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -28y |
TSR3ドライバーのもう一つの純正シャフトは他社と同じ50g台のTSP111です。こちらの方がややドロー回転が強くなりましたが、曲がり幅が小さいです。これは打ち出し角に影響されています。
安定させるなら、ドロー回転の多いこういったタイプの組み合わせの方が向いていたりします。ちなみに、TSR2ドライバーでもTSP111は良い結果でした。打ち出し角が右に出るのは両者共通なのでこれはシャフト特性でしょう。
弾道の高さは全く同じです。最高キャリーは307y。バックスピン量も同じくらいのレベルではありますが、TSP111の方がよりオートマ感が強いと感じます。
スコアを出すならこちらかなと思います。また、慣れる時間が短いのもこちらです。
TSR3ドライバー9.0°×ツアーAD IZ6S
ヘッドスピード | 54.1m/s |
ボールスピード | 75.7m/s |
平均キャリー | 298y |
平均トータル | 321y |
平均サイドスピン | 82rpmストレート |
平均バックスピン | 2410rpm |
平均打ち出し角 | 1.0° |
平均打ち上げ角 | 15.5° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | 0y |
なぜ今更IZがカタログカスタムに採用されたのかは不明ですが、まぁ私も認める名器シャフトなので良いでしょう。平均キャリーこそ300yを超えませんでしたが、カスタムで300yとべばまぁ悪くないでしょう。
以外にもバックスピンは減らず、最高キャリーも306yと凡。何より初速が伸びていないのでこの組み合わせが合っているとは言い難いかなと思います。
安定していませんがどんな球も打てるという感触はあるので相当な上級者なら気にいる組み合わせだと思います。
TSR3ドライバー9.0°×ディアマナTB60S
ヘッドスピード | 52.9m/s |
ボールスピード | 75.7m/s |
平均キャリー | 297y |
平均トータル | 320y |
平均サイドスピン | 400rpmドロー |
平均バックスピン | 2264rpm |
平均打ち出し角 | 0.5° |
平均打ち上げ角 | 15.2° |
最大の高さ | 45y |
落下角度 | 42° |
左右ブレ | -26y |
やはりTSR3ドライバーはカスタムがどれもしっくり来ません。捕まるという評価のディアマナTBでダメとなるともはや希望はありません。まぁTSR3ドライバーには素晴らしい純正シャフトが2種類あるので基本は純正がおすすめです。
打ち出し角度こそストレートから右ですが。曲がりはばはそこそこあります。初速が落ちるのでスピン量がちょうど良くても飛ばないという感じですね。
安定性もイマイチです。TSR3ドライバーに合うカスタムシャフトなんてあるんですかね。
TSR3ドライバーの特徴
TSR3ドライバーの特徴をまとめると以下のようになります。
- 方向性はドロー
- バックスピンはTSR2よりもやや多く中スピン
- シャフトは相性がかなり分かれる
- 純正シャフトで十分
TSR3ドライバーの良いところ
TSR3ドライバーの誉める点は、まずはデザインかと思います。かっこいいです。
このデザインが嫌いな人はいないでしょう。投影面積が小さめで、もはやTSR4は不必要なのではないかと思うくらい。
フェース形状やヒールの出っ張り方、イメージに影響する部分はほとんど前作を踏襲しているように感じました。
TSR3ドライバーのイマイチなところ
正直言うと、扱いにくいと思いました。
決してニュートラルではありません。TS3がニュートラルで、TSi3がフェード系だったので今回はどうなるかと思いましたが、引っ掛けが出るくらいにドローが強いです。
私が期待しすぎたことは認めますが、TSR2とのバランスがこれまでとは変わったのかなと考えています。そうなると納得がいきます。
TSR3ドライバーのセッティング
TSR3ドライバーはエピックフラッシュの左下くらいかと思います。
ニュートラルだったらなお良かったですが、たまにはタイトリストも捕まるモデルを作っても良いかもしれませんね。私は好きではありませんし、TSR2が良く出来すぎているので仕方ない気もします。
組み合わせるシャフトは色々試しましたが、純正を超えるものは見つかりませんでした。
強いて言えばIZと同じニュートラルのモデルが良いかもしれませんが、DIすら合わなかったのでセッティングは難しいと思います。
データチャート
飛距離はセッティングによってはもっと伸びるかもしれません。なぜなら初速が出るからです。安定性は純正シャフトを使う限りは心配入りませんが、逆球が出るドライバーなので評価は下げました。
総合評価
TSR3ドライバーは、タイトリストのドライバーとしては評価が低いです。
それでも決して悪くもないのですが、今現状TSi3を使っているなら買い替えは非推奨です。TSi2からだったら適度に似ているので試してみても良いかもしれません。
2022年モデルはTSR2が非常によく出来ているので、TSR3を選ぶ人は少ないかもしれませんね。
おススメ度 (3.5 / 5)


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