小ぶりヘッドを作り続ける意義
昨今のクラブメーカーは、とにかく大きく、とにかく安定感のあるドライバーを積極的に開発しています。それは、これまでツアー選手向けにクラブを設計してきたタイトリストも同じです。
現行のTSiシリーズでも、460㏄のモデルを3つ展開しています。
そんな中でも、タイトリストは彼らのアイデンティティを忘れていません。今回紹介するTSi4ドライバーは、ヘッド体積430㏄と小ぶりなヘッド。可変ウェイトなど複雑な構造も持たないクラシカルなモデルです。このラインを作り続けることに、タイトリストらしさを感じますね。今後も作り続けて欲しいです。
試打データ
TSi4ドライバー(9°)×ツアーAD DI6S
ヘッドスピード | 53.4m/s |
ボールスピード | 75.9m/s |
平均キャリー | 299y |
平均トータル | 322y |
平均サイドスピン | 99rpmドロー |
平均バックスピン | 2419rpm |
平均打ち出し角 | -1.6° |
平均打ち上げ角 | 14.2° |
最大の高さ | 45y |
落下角度 | 43° |
左右ブレ | -16y |
素晴らしい結果だと思います。
サイドスピンは最大でも283rpmしかかからず、基本ドロー弾道となりました。最高飛距離はキャリーで303y。
初速性能も高く安定して75m/sを超えています。弾道はかなり低く、超がつくほどの強弾道です。
個人的にベストマッチのシャフトではありませんが、悪くない試打データだと思います。
TSi4ドライバー(9°)×ディアマナDF70S
ヘッドスピード | 54.5m/s |
ボールスピード | 76.0m/s |
平均キャリー | 300y |
平均トータル | 321y |
平均サイドスピン | 46rpmストレート |
平均バックスピン | 2466rpm |
平均打ち出し角 | -1.9° |
平均打ち上げ角 | 16.2° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -14y |
個人的にはTSi4ドライバーにベストマッチなシャフトだと思います。平均キャリーで300yオーバー、最高飛距離はキャリー302yでした。ディアマナDFを組むと、やや打ち上げ角度が大きくなって飛距離が伸ばしやすいです。
サイドスピンはこれまた少なく、ほぼストレートです。非常に安定するので思い切り振れる仕上がりでした。曲がり幅が小さいので、スコアに貢献するドライバーになったと思います。
TSi4ドライバー(9°)×ジアッタス5S
ヘッドスピード | 54.5m/s |
ボールスピード | 76.3m/s |
平均キャリー | 296y |
平均トータル | 316y |
平均サイドスピン | 6rpmストレート |
平均バックスピン | 2704rpm |
平均打ち出し角 | -3.3° |
平均打ち上げ角 | 15.2° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -19y |
弾道が低いのがネックなので少しアンダースペックで組んでみました。やはりTSi4ドライバーにもジアッタスはマッチしました。サイドスピンは最大で49rpmという驚異的なもの。
初速は最高で77.5m/s、飛距離はキャリー304yとなっています。
バックスピン量がやはり増えましたが、飛距離が落ちる程ではありません。セッティング次第ではもっと飛ばせるという可能性が感じられる組み合わせです。
ジアッタスで組むのであれば、打ち出し角度が左に寄ってしまうので、アンダースペックはおススメ出来ません。
各種重量
TSi4ドライバーのヘッド重量は、196gでした。かなり重いと思います。
これが実際に振っている時にもトップでヘッドが垂れてくる感覚がありますので、重心位置的にも重く感じるヘッドだと思います。
そして、ヘッドに装着してあるウェイトは9g。ドライバーようウェイトは3000円くらいで純正品が販売されています。
TSi4ドライバーのデザイン分析
TSi4ドライバーのソールは真っ黒でTSi3と同じカラーリングです。ソールの前方フェース側にウェイトが配置されていて、いかにも浅重心という感じです。
構えると僅かにオープンフェースで、スリーブのポジションを変えるとスクエアになるくらいです。
形状は、シャローバック気味で、完全にお尻が着陸しているわけではありません。構えても特別小さく見えないのはこの辺りが影響しているのでしょう。
TSi4ドライバーのフェースにもTSiシリーズで初採用のATIが使われています。高初速の要因です。
TSi4ドライバーの特徴や癖
TSi4ドライバーの特徴をまとめると以下の6点になると思います。
- 捕まる
- インパクトロフトが立ちやすい
- サイドスピンは少ない
- 高初速
- 低スピン
- 低弾道ではないけど強弾道
タイトリストの他のモデルと比較すると、TSi4ドライバーは、TSi3よりも少し捕まってTSi2より捕まりは弱いです。データで言えば、打ち出しが左になるけどドロー回転が300rpmを超えるほどでは無いというくらいです。
打ち出し角を考えるとB1ポジションでセッティングを考えると良いと思います。
他社製品と比較
このチャートで言えば、TSi4のポジションはM5の左下だと思います。必死で上げようと思わなければ上がりません。捕まりは良いですから飛距離は簡単に出せます。
組むシャフトは、捕まりが弱いモデルが良いです。今回は、DF70Sが良かったですが、DFを選ぶ際はTXか70g台がおススメです。軽いスペックは左にすっ飛びます。ジアッタスでも推奨は6X以上。
60Sで言えばクロカゲXMとレジオフォーミュラM+が良いと思います。あまり右のモデルでも球が上がらなくなるので注意してください。
データチャート
飛距離性能も高く、サイドスピンだけで言えば曲がり幅も小さいですが、この性能を引き出すには非常に高いレベルが求められると思います。正直私でもTSi4ドライバーを打ちこなすまでに2時間半かかっていますので覚悟してください(笑)。
総合評価
色々な意味でTSi4は”価値がある”ドライバーだと思います。
それは、単純に性能が高いことだけでなく、こういったモデルを作り続けることの価値であり、旧式のデザインを最新の製法と素材で作ったことに対する価値だと思います。
誰でも打てるフレンドリーなドライバーではありませんが、長い時間をかけてあげれば、頼れる相棒になることは間違いありません。
おススメ度
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