カーボンフェース第二弾
テーラーメイドが衝撃的なカーボンフェースのドライバーを発売して早半年。次なるカーボンフェースが登場しました。その名もステルスグローレ。
グローレシリーズが登場した時は完全に独立したモデルでしたが、Mグローレからはメインのモデルの技術を取り入れてきました。これでメインモデルの人気を引っ張ってくることも出来るという一石二鳥。
2022年モデルのグローレはステルスのテクノロジーを搭載してステルスグローレに進化。しかも、昔GとFに分かれていたように再び分岐。
今回はその中でも可変スリーブが復活したステルスグローレプラスドライバーを試打評価していきます。


ステルスグローレプラスのデザイン
ステルスグローレプラスは可変スリーブです。ソールはカーボンが多く使われており、フレームはアルミ。まさにSIM2の構造にカーボンフェースをはめたドライバーです。
グローレの要素は重量とカラーリングくらいです。テクノロジーはSIM2とステルスの融合ですね。
クラウンはグレーのカーボンで、投影面積は小さいです。SIMグローレと構えた感じは非常に似ています。
こちらがステルスグローレプラスのカーボンフェース。実は面積が10%も大きくなったらしい。10%と言われてもピンとこないのですが、性能への影響が気になります。
アルミフレームの形状はSIM2とは大きく違います。まずはウェイトポートの形。若干ヒール寄りにウェイトが装着されるような形をしています。
分かりにくいですが、ヒール側が膨らむような形状になっていて、ボリュームがヒールに偏っています。
割とディープバックなのも前作から継承。ステルスグローレプラスはフェースが大きくなったとは言いますが、フェース厚(高さ)も増えたのでしょうか。
試打データ
ステルスグローレプラス9.5°×純正シャフト
ヘッドスピード | 54.0m/s |
ボールスピード | 76.5m/s |
平均キャリー | 295y |
平均トータル | 315y |
平均サイドスピン | 216rpmドロー |
平均バックスピン | 2702rpm |
平均打ち出し角 | -0.8° |
平均打ち上げ角 | 16.6° |
最大の高さ | 55y |
落下角度 | 48° |
左右ブレ | -18y |
この手の軽量ドライバーは、キャリーで290yが基準です。どうしても私はターゲットではないので仕方なし。ステルスグローレプラスの試打データは、可もなく不可もなくといったところでしょうか。

ステルスグローレ
Mグローレもそうでしたが、歴代グローレは結構ドローが弱いモデルが多いのでステルスグローレプラスがストレート弾道なのも納得です。最高キャリーは302yでした。初速は77.9m/sが最高値です。この辺りはかなり優秀と言えます。
打ち出し角度もストレートに近いですから、ステルスグローレプラスは引っ掛けを防ぐような方向性を付けてあるのだと思われます。バックスピンは多めですが3000rpmは確実に下回る絶妙なラインを演出。抜かりないです。
ステルスグローレプラス9.5°×ツアーAD CQ6S
ヘッドスピード | 54.6m/s |
ボールスピード | 75.2m/s |
平均キャリー | 286y |
平均トータル | 305y |
平均サイドスピン | 239rpmフェード |
平均バックスピン | 2861rpm |
平均打ち出し角 | -0.8° |
平均打ち上げ角 | 16.0° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | 11y |
せっかく可変なので2022年モデルのシャフトも試してみました。一番良かったのはCQでした。それでも純正には敵いませんのでやはりステルスグローレプラスは純正こそベストマッチと確信しています。
CQは少し捕まるシャフトだと思いましたが、ステルスグローレプラスと組むとなぜかフェードします。初速が落ちたのはシャフト重量が重いからだと考えられます。スピン量は大体同じなので単純なシャフトのマッチングの問題かなと。
ステルスグローレプラスとCQの組み合わせでの最高キャリーは291yです。どちらのシャフトで試打をしても打ち上げ角度が16°を超えましたので高打ち出し中高スピンの特性のヘッドです。
ステルスグローレプラスの特徴
ステルスグローレプラスの特徴を挙げると以下の通りです。
- ストレートに近い
- シャフト次第ではフェード
- スピン量は常に2700rpm強
- 高打ち上げ
- 純正シャフトが打ちやすい
- たまにダフる
ステルスグローレの振り心地
カーボンフェースの圧倒的な利点である軽量フェース。
評価している面ももちろんありますが、振り心地においては気になることもあります。フェースはシャフトからほぼ角度を持たずについているパーツです。
ここが軽くなることでフェースの向きがややぼんやりしてしまいます。これはステルスとステルスプラスで感じたことですが、ステルスグローレプラスでも同様に感じたので確信に変わりました。
ただこれは好みでなんとかなる範疇なので試してみるほかありません。
重心位置の偏り
やたら軽いフレームやボディを使っているドライバーですから、実際に中身がどうなっているかは分かりません。
ステルスグローレプラスは、たまにダフる傾向があります。極端に後ろに重心があるドライバーでよく起こる症状です。そこまでひどくはありませんが、もし重いシャフトにしたいのであれば慎重になった方が良いです。
ステルスグローレプラスのセッティングにおいて、基本的に純正を超えるカスタムはないので重量を上げるカスタムはお勧めしません。
ステルスグローレプラスのセッティング
ステルスグローレプラスドライバーは、スピンが多めでフェードするという稀有な特性。非常に存在価値のあるモデルだと思います。
マトリックスチャートで言えばSIM MAXの左隣。
カスタムは推奨しませんが、組むとしても40g台でパリパリしてる捕まるシャフト。エボ5やZFなんかが良さそうです。
データチャート
ステルスグローレプラスを単体で評価すると別になんてことないのですが、所謂コンセプト勝ちしているドライバーなので需要はありそう。カスタムの可能性があればさらに評価は高いですが、それはかつてのFには敵いません。
総合評価
ステルスグローレプラスはカーボンフェースであることのメリットは特に無い仕上がりでした。別にカーボンフェースでなくても表現出来たのでは無いかと思います。
まぁもちろんこのサイズ感で安定性が出せるのは軽量なフェースのおかげだと思いますが、フィーリングが損なわれているのでトントン。味付け含め、レアなクラブなので見かけたら試打してみてください。
セレクトストア限定商品なので、取扱店舗が少ないのも残念ではあります。
おススメ度 (3 / 5)
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