シム2マックスで刷新されたこと
毎度言っておりますが、モデルチェンジの中でもモデル名が新しくなるフルモデルチェンジと、数字だけが変わるマイナーチェンジがあります。
今回は見ての通りシム2マックスへのマイナーチェンジです。
ですから特別進化したわけではありませんが面白い構造やパーツを多数採用しているのでそれも合わせて評価していきます。まずは試打データから見て性能をチェックしましょう。





試打データ
ヘッドスピード | 55.1m/s |
ボールスピード | 76.4m/s |
平均キャリー | 287y |
平均トータル | 305y |
平均サイドスピン | 63rpmストレート |
平均バックスピン | 3111rpm |
平均打ち出し角 | -5.2° |
平均打ち上げ角 | 14.4° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | -31y |
まず、初速性能から見ていきましょうか。最高は初速77.2m/sと高いですが、打ち出し角がかなり強く左であることと、インパクトロフトが立っていることからあまり評価してよいとは思っていません。
最高飛距離は、キャリー294y、トータル315y。その時のバックスピンが2600rpmでした。
シム2マックスドライバーが前作から大きく変わったのはドローバイアスが強くなったことと、サイドスピンが激減したことです。この辺は後で熱弁します。
試打データの特徴をもう少し見てみましょう。先ほども少し書いていますが、打ち出し角が前作よりもさらに大きく左になりました。平均で5°と言うのは非常に大きく、前作比-1.9°。打ち上げ角度も1°ほど小さく低くなりました。
平均のスピン量は増えていますが打ち上げ角もあって弾道の高さはシム2マックスドライバーの方が2y低いです。
恐ろしいほどサイドスピンが少ない
シム2マックスドライバーの最大の特徴を挙げるとするならば、私は真っ先にサイドスピン量の少なさを挙げます。
試打データとしては6rpm~149rpmで全てドロー回転ではありますがこれはストレートでいいと思います。打ち出し角を右に寄せたいので、可変スリーブでロフトをマイナス方向に調整するなどしたら面白いかもしれませんね。
このシム2マックスドライバーのデータの出方、何かに似ているなと感じました。はい、ピンG410PLUSです。打ち出しがやや強めに左になって、そこからは真っすぐ。
スピードインジェクションの変更
シム2マックスドライバーのスピードインジェクションは、シムグローレと同じトゥ側に仕込まれています。
内部の画像を見る限りは、前作のようにヒールとトゥ両方ではなくトゥ側だけにスピードインジェクションを入れているのだと思います。
これにより、フェースには穴が無く自然なデザインに戻りました。
シム2マックスドライバーのウェイトやヘッド重量
シム2マックスドライバーのヘッド重量は、194g。やや重くなりました。0.5gだけですが。
今回は後ろのウェイトが可変になっていて、パーツ売りするかは不明ですが、シム2(16g)とシム2マックス(24g)、シム2マックス D(22g)でそれぞれ違う重量のウェイトが装着されています。
シム2マックスドライバーには一番重い24gが付いています。これよりも増やせば慣性モーメントがもっと大きくなるかもしれませんが、ヘッド重量が重いので短尺に合わせたら最高に面白そうです。
他のSIM²モデルとの違い
そっくりに見えるSIM²シリーズ。その中でもMAXのつく2つのモデルはそっくりなわけですが、実はちょっとだけ違います。
見て分かるのはフェース側のボタンみたいなウェイトの位置です。これは外せないので何gなのか分かりません。
見ても分からない違いは、イナーシャジェネレーターの後ろ側の幅です。(誰も気付いていないかも?)
シム2マックスは20㎜、シム2マックス Dは22㎜でした。あとは、イナーシャジェネレーターの角度も少し違って見えます。Dはよりヒール側に傾いている気がします。
こうしてトゥ側から見ると、後ろのアルミフレームの形状が違います。SIM²MAXの方がえぐれているようなデザイン。
SIM²MAXドライバーのデザイン
私としては、かっこいいなと思うデザインになったと感じています。
クラウン部分が黒くなり、前作の”おもちゃ感”が希薄になりました。
SIM²シリーズのトピックはこれでしょう。ヘッド中央から後方にかけて輪になっているアルミのフレーム。チタンよりも軽いアルミにすることで軽量化が可能。
ソールもフルカーボンですから、余剰重量はどこに行ったのかという話になりますよね。まぁお分かりの通り、ヘッド後方のウェイトでしょう。前作は私が試行錯誤して外したところ、17gでした。(知り合いが手に入れたツアー支給品は12g)
シム2マックスドライバーでは7gも多い24g。これで慣性モーメントを上げることが出来たんだと思います。
これは私も過去にレビューしたオノフRD5900も似た特徴を持っています。クラウンとソールに繋がるカーボンパーツでヘッド中間を軽量化。ソール後方にかなり重いウェイトを入れて慣性モーメントをギリギリに(ノーマルよりも重いウェイトで最大慣性モーメント)しています。
ほぼほぼカーボンで出来ていますよね。このアングルは前作とあまり変化無さそうです。
他社製品と比較して
マトリックスチャートで言えば、M6の左で、ゼクシオ11の右下くらいだと思います。
弾道の高さは、シム2マックスの方が前作よりも低いと思います。
最新のチャートはこちら。随時更新しています。
カスタムするなら
心配なのはこれ以上打ち出し角度が左に行くことです。ですから、打ち出しごと右にずらせるシャフトでフェードを作るのがおススメです。
ツアーAD XCとかのゾーンのシャフトが合いそう。まぁこの辺りはまた試打データを取って最終的な評価にしたいです。
純正シャフトはテンセイブルーのコスメです。
データチャート
シム2マックスは曲がる気がしません。これセッティング決めたら化け物みたいなドライバーになりますよ。飛距離がいまひとつキャロウェイやタイトリストには及びませんが、セッティング次第ではあると思います。
総評
テーラーメイドの高打ち出し低スピンがやや路線変更したのか、低打ち出し中スピンになっていますがまぁトータルコーディネートは相変わらず秀逸。
シム2マックスドライバーをまとめるとこんな感じ。
- サイドスピンはストレート
- 打ち出しが左
- 前作より低弾道
- 飛距離性能は継承(超えては無い)
- スイートエリアでのバックスピンは中程度
バージョン違いのSIMってイメージですかね。
おススメ度




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