毎回発売されるタイプD
テーラーメイドのドライバーでは、USモデルでタイプDというドロー設計のドライバーが発売されてきました。
日本で正規販売したことはこれまでなかったのですが、今回SiMシリーズでSiM MAX-Dというネーミングで発売となりました。
私は、SiM MAXを捕まらないドライバーと認識しているので、Dになってどの程度変化するのかに注力してレビューしたいと思います。
さっそく、試打データから見ていきます。



試打データ
ヘッド | SiM MAX-D | SiM MAX |
ヘッドスピード | 54.9m/s | 53.8m/s |
ボールスピード | 76.8m/s | 74.5m/s |
平均キャリー | 292y | 285y |
平均トータル | 311y | 305y |
平均サイドスピン | 425rpmドロー | 72rpmフェード |
平均バックスピン | 2830rpm | 2821rpm |
平均打ち出し角 | -5.0° | -3.4° |
平均打ち上げ角 | 15.4° | 16.7° |
最大の高さ | 52y | 53y |
落下角度 | 47° | 47° |
左右ブレ | -53y | -13y |
ものすごくヘッドは走るので、ヘッドスピードが上がりました。ただ、体も持っていかれるので、コントロール性はほとんど無いに等しく、最後まで打ちこなすことは出来ませんでした。
最大飛距離がキャリー299y、トータル320yでした。
SiM MAX-Dのバックスピン量は、SiM MAXよりも少し少なく、ボリュームゾーンで2800rpmくらいでした。
同時に計測したSiM MAXだと3400rpmほど出てしまったので、バックスピンは下がります。
ただこれは、単純に捕まるヘッドだからと言った方が正しいかと思います。ドローバイアスのSiM MAX-Dの方が、フェースが閉じるのでスピンは減ります。
その証拠に、打ち上げ角に差が出ています。
到達地点が30y以上左になってしまうので、純正シャフトでは正直使い物になりませんが、SiMシリーズをどうしても使いたくて、SiMだと球が上がらない、SiM MAXだと捕まりきらないというユーザーにはドンピシャでしょう。
ビジュアルで見る弾道
赤がSiM MAX-D、青がSiM MAXです。
見事に逆球でした。また、弾道の高さはこの通り全く別物。SiM MAX-Dの方が強弾道ですね。
デザインの違い
ヒール側に金属のプレートが装着されています。
あと、若干フェースが分厚い感じがしました。構えた時にボールの高さが合っているか不安になりました。実際違和感があったのでティの高さを変えました。
カタログに特に書いてあるわけでは無いので気のせいかもしれませんが。DはディープのDなのか?
SiM MAX-Dが合う人合わない人
SiM MAX-Dを使ってメリットのあるプレーヤーは、まずスライサー。それもかなりのスライサーです。
捕まり具合で言えば、JGRやPRGR RS並なので、超捕まります。
ただ、この二つと違って弾道がやたら高くなることはありませんから、ハードヒッターでも使えると思います。
こういった捕まるヘッドに、捕まらないシャフトを組むと思い切り叩ける、飛ぶドライバーが完成するので、今現在SiMを使っていてもっとキャリーを出したいという人にもお勧めできます。
ヘッドの性能自体はさすがのテーラーメイドですから、下手な私が打っても飛距離はちゃんと出ます。
ただ、バックスピンは決して少なくないです。仮に同じ度数だとして、SiMのウェイトをマックスまでヒール側に動かしたら、SiMの方がバックスピンの少ない強い球になると思います。
よって、本当に低い球を打つなら、SiMやマーベリックの方が向いていると言えそうです。ただ、弾道の高さはイナーシャジェネレーターの先端のウェイトを変える事で調整できます。
データチャート
飛距離性能は高く評価しますが、安定性は正直イマイチです。このくらい捕まる方が、多くのユーザーにとってメリットになるとは思いますが、ドローヒッター向けでは無いでしょう。
ややピーキーなので、シャフト選びには注意が必要です。
打ち出し角がどうにかなればサイドスピン自体は多くないので、良いセッティングが出来ると思います。可能性を感じさせるヘッドです。
総評
“売れそうなクラブ”だと思いました。
試打していて、SiM MAX-Dのようなヘッドはかなりの需要があると感じました。海外モデルで、このバックスピンと捕まりの組み合わせは珍しいからです。
最大距離に優れたテーラーメイドがより日本人が使いやすいセッティングで発売するということは非常に意味深いことだと考えます。
おススメ度




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