ツアー支給モデル
キャロウェイはツアー支給モデルをTAシリアルで発売していますが、ローグではすでにトリプルダイヤモンド、トリプルダイヤモンドLS、そして今回紹介するトリプルダイヤモンドSが発売されています。
ツアー支給モデルは通常のヘッドとは違ったフェースアングルや体積になっていて面白いです。今回はローグSTトリプルダイヤモンドSを他のモデルとの違いも比較しながら評価していきます。
ローグSTトリプルダイヤモンドSのデザイン
ローグSTトリプルダイヤモンドSドライバーは、ヘッド体積440ccです。ソールのフェース側にはスクリューウェイトが搭載されています。
実際、ローグSTトリプルダイヤモンドSのヘッド投影面積はかなり小さく見えて、超かっこいいです。ヒール側が絞られているのでよりコンパクトに見えます。
ローグSTトリプルダイヤモンドSのフェース形状は通常モデルとはかなり違っていて、ヒール側に膨らんでいます。
トゥ側も無駄に出っ張っているところが少ないので前方投影面積も小さいです。
ソールは後方が浮いていて、前方で設置していることからも浅重心になっていることが予想されます。トリプルダイヤモンドLSはソールは後方までベタっと着陸していましたね。ディープフェースで、中央あたりまでクラウンが同じ高さになっています。
今回買ったローグSTトリプルダイヤモンドSはTAシリアルで、ロフトは8.5°ですが、実ロフトは7.8°です。
他のモデルと違ってトリプルダイヤモンドSは可変スリーブのところが急激に落ち込んでいて、フェースの高さを強く印象付けます。
この削られた下の部分は他のモデルでは丸くなっていますがトリプルダイヤモンドSは直線です。
試打データ
ローグSTトリプルダイヤモンドS8.5°×アルディラ6S
ヘッドスピード | 54.6m/s |
ボールスピード | 78.0m/s |
平均キャリー | 310y |
平均トータル | 335y |
平均サイドスピン | 448rpmドロー |
平均バックスピン | 2122rpm |
平均打ち出し角 | -0.9° |
平均打ち上げ角 | 14.0° |
最大の高さ | 42y |
落下角度 | 40° |
左右ブレ | -39y |
標準で入っていたアルディラの緑色のシャフトです。このシャフトの特性自体はよくわかりませんが、よく捕まった試打データとなりました。平均ミート率が1.43と高いのはロフトが立っているからです。他のローグSTシリーズより初速が速いのはツアー支給モデルだからではないと考えています。
正直このシャフトとローグSTトリプルダイヤモンドSは全然マッチしていないのでこれはまだ序の口。
弾道はかなり低く、スピン量も低いです。ローグSTトリプルダイヤモンドSは、捕まりが良く低弾道になる低スピンな特性と言えそうです。
ローグSTトリプルダイヤモンドS8.5°×ベンタスTR6S
ヘッドスピード | 54.6m/s |
ボールスピード | 77.5m/s |
平均キャリー | 314y |
平均トータル | 341y |
平均サイドスピン | 522rpmドロー |
平均バックスピン | 1858rpm |
平均打ち出し角 | -0.2° |
平均打ち上げ角 | 14.4° |
最大の高さ | 40y |
落下角度 | 39° |
左右ブレ | -43y |

トリプルダイヤモンドSが捕まりが強いことが分かったので、捕まらないシャフトを組み合わせて見ました。しかし、なぜかこれが一番引っ掛けました。ドロップ寸前の低スピンで、実用性は皆無。
飛距離こそ平均キャリー314yで最高キャリーも319yですが、ドロー回転が強くて安定感は希薄。打ち出し角度をコントロールしやすいのでOBにはならないかもしれませんが、こんなにギュンギュン曲がるのは意外でしたね。
ローグSTトリプルダイヤモンドSは硬くて低スピンなモデルと組むとこんな風になるのかもしれませんね。
ローグSTトリプルダイヤモンドS8.5°×ベンタスブラック6S
ヘッドスピード | 54.4m/s |
ボールスピード | 78.0m/s |
平均キャリー | 309y |
平均トータル | 331y |
平均サイドスピン | 119rpmフェード |
平均バックスピン | 2449rpm |
平均打ち出し角 | -0.8° |
平均打ち上げ角 | 14.4° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -4y |

他のローグSTシリーズで抜群の相性だったベンタスブラックを組んでみました。結論としてはローグSTトリプルダイヤモンドSにもドンピシャ。平均ではキャリー309yですが、最高キャリーは325y。素晴らしいです。
そして何より安定感があるのと、ミスをしても曲がらないという点でこの組み合わせは優れていると思います。ローグSTトリプルダイヤモンドSはベンタスブラックと組んでおけば間違い無いでしょう。
バックスピン量は他のシャフトよりも増えましたが、この弾道の高さであればロスなく飛んでいると判断出来ます。サイドスピンは全てフェードで多くても200rpm台と小さい数値を推移しています。
ローグSTトリプルダイヤモンドS8.5°×テンセイプロオレンジ1K6S
ヘッドスピード | 54.9m/s |
ボールスピード | 78.9m/s |
平均キャリー | 315y |
平均トータル | 339y |
平均サイドスピン | 178rpmドロー |
平均バックスピン | 2292rpm |
平均打ち出し角 | -1.7° |
平均打ち上げ角 | 13.7° |
最大の高さ | 45y |
落下角度 | 42° |
左右ブレ | -23y |

捕まらないシャフトが合いそうだと考えたのでテンセイプロオレンジ1Kでも試してみました。こちらも良かったです。最高キャリーは320yで、この時のバックスピン量が2099rpm。
ローグSTトリプルダイヤモンドSはシャフトによって打ち上げ角度が結構変化しやすく、テンセイプロオレンジ1Kでは相当低い打ち上げ角度になっています。
平均初速が最も速いこの組み合わせも相性は良いと思います。初速は常に78m/sを超えました。MAXでは79.3m/s。
ローグSTトリプルダイヤモンドS8.5°×テンセイプロホワイト1K6S
ヘッドスピード | 54.2m/s |
ボールスピード | 77.7m/s |
平均キャリー | 313y |
平均トータル | 335y |
平均サイドスピン | 33rpmストレート |
平均バックスピン | 2285rpm |
平均打ち出し角 | -1.2° |
平均打ち上げ角 | 15.5° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -9y |

左に飛びにくいテンセイプロホワイト1KもローグSTトリプルダイヤモンドSと相性抜群。平均飛距離はキャリーで313yのストレート弾道です。
打ち出し角度も真っ直ぐですから、扱いやすいですね。こちらもベンタスブラック同様、ほとんどミスは出ません。ミスしても前に進むのはこちらですかね。
ローグSTトリプルダイヤモンドSのネックである弾道の低さはなぜかこの組み合わせだけ解消されています。打ち上げ角度もしっかりついているので滞空時間が長く、キャリーで310yを切るデータはありません。
ローグSTトリプルダイヤモンドSの特性まとめ
- 方向性は左
- 硬いシャフトだと引っ掛け注意
- 柔らかいシャフトだとスライスする
- 基本捕まらないシャフトと相性が良い
- 弾道は低い
- 低スピン
- 結構ピーキー
- とりあえず飛ぶ
- ロフトは小さく無いほうが良い
ローグSTトリプルダイヤモンドの打感
トリプルダイヤモンドSの打感は独特で、通常のローグST MAXなどのような乾いた感じではありません。普通のが“サクッ”というイメージだとするとトリプルダイヤモンドSは“ぽくっ”という感じです。分かりにくいですね。
ミスヒットした時に敏感にフェースの向きが変わるので、打感もそうですがヘッドの動きもわかりやすいです。要するに、ミスを許してくれる訳ではありませんから古臭い当たり感です。
ローグSTトリプルダイヤモンドSの重量
先程のスペックシートにも書いてありましたが、ヘッド重量は192gでした。これは個体差があると思います。
トリプルダイヤモンドLS(194g)やMAX LSも大体同じ重量でしたね。
他社製品と比較
ローグSTトリプルダイヤモンドSをチャートに落とし込むと、M5の左下あたりになると思います。角度の低さが特に顕著で並の人では打てないと思いました。
組み合わせるシャフトは一番右のエリアがお勧め。最低でもベンタスブルーのラインくらいは右にあるシャフトが良いと思います。
データチャート
ローグSTトリプルダイヤモンドSの飛距離性能は間違いなく最高レベルです。キャリー325yは素晴らしいです。スピン量もシャフトを間違えなければ問題はないと考えています。安定性はピーキーなので評価は低め。
そして何よりローグSTトリプルダイヤモンドSは難易度が高いことに注意しましょう。
総合評価
ローグSTトリプルダイヤモンドSドライバーは、かなり癖のあるヘッドでした。正直ロフト選びは大きめをお勧めしたいくらい低弾道です。超がつくほど高弾道の私が言っているので信じてください。
ただ、傾向としてトゥヒットしてもOBになるほど曲がらない、基本的に低スピンエリアに入りやすいなどハードヒッターにとってはありがたい特性を持っていることも事実なので、その点では高く評価をしています。
おススメ度
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