感性重視だったヤマハから性能重視の新時代へ
ヤマハと言えば、楽器の技術を生かした心地よい打音が売りのドライバーを作ってきました。
技術的には、スイートエリアの広さが昨今のハイテククラブに対して劣っているように感じていました。
前作のRMX118はディープフェースで、強弾道ながら決して易しいクラブとまでは言えず、ある程度打つ人を選ぶドライバーでした。
今作のRMX220は海外のメーカーに対抗すべく、高い慣性モーメントとBOOSTRINGと名付けられたヘッドを一周するように配置されたリブを持つのが特徴です。
慣性モーメントでは、5760g・cm²(上限は5900g・cm²)で慣性モーメントの高さを売りにしている多くのドライバーよりも遥かに高い数字です。
また、今作ではシャフトをヤマハオリジナルの物に変更して発売されるようです。ただ、トータルの価格はあまり変わっていませんので、ヘッドの開発に相当お金を使ってしまったのかもしれませんね(笑)
試打データ
RMX用オリジナルカーボン
ヘッドスピード | 52.8m/s |
平均キャリー | 272y |
平均トータル | 292y |
平均サイドスピン | 417rpmドロー |
平均バックスピン | 2861rpm |
平均打ち出し角 | -5.8 |
平均打ち上げ角 | 11.8° |
左右ブレ | -53y |
RMX220/RMX120用純正シャフトのSフレックスでのデータです。
データを見て分かる通り、かなりドローバイアスが強いヘッドだと思います。
特に、打ち出し角では左に約6°と極端な捕まりだと感じました。これは、以前酷評したミズノプロのモデルEに似ています。
さらに、ロフトは9.5°だったにも関わらずバックスピンは3000rpm近い数値になりました。
すなわち、ヘッド特性としては以下の特徴があると言えます。
・打ち出しで左に出る程のつかまり
・バックスピン多め
・球は暴れる
結果から言うとハイテクな感じは全くありませんし、シャフトの刺さり方やヘッド形状も構えにくくて残念なドライバーという印象でした。
スピーダー569エボリューションⅥ
2019年モデルの新しいスピーダーです。6世代目となるこのエボリューションシリーズは偶数なので中調子。
ヘッドスピード | 52.7m/s |
平均キャリー | 275y |
平均トータル | 296y |
平均サイドスピン | 533rpmドロー |
平均バックスピン | 2648rpm |
平均打ち出し角 | -4.8 |
平均打ち上げ角 | 12.9° |
左右ブレ | -56y |
Mグローレのシャフトに似てる…
捕まり具合に関しては改善は見られませんでしたが、バックスピンが減ったことで飛距離が伸びました。
RMX220のヘッドはあまりにもドローバイアスが強いため、元調子のシャフトは全くフィットしませんでした。
ですから、もしカスタムを組むとすれば中調子で比較的癖のないものを選ぶことをおススメします。
RMX220が218から変わったこと
同じところはほとんど無いと思ってください。
上の画像が今作RMX220です。下のRMX218と比べると明らかにヘッドが長く、しかもややグースネックになっているのも分かります。
さらに、フェースが見える範囲も少なくなり、さらにシャローフェースになったように思います。RMX218ではえらが張っていたようなフェース形状でしたが、RMX220になると海外メーカーと同じような底を絞った形にしたみたいですね。
こちらも上がRMX220、下が218です。言葉で説明する必要は無いでしょう。
各種細かい部分
ヘッド重量は190gくらいです。これは前作と同じでした。メーカーのカタログ値によると196.5gなのですが、それはスリーブを含めた重量です。
スリーブは前作と互換性があります。詳しくは知りませんが、たぶん同じものだと思います。
RMX220では前作で採用していた、ネジのウェイトを取っ払っていました。これで、調整幅は少なくなりましたが、慣性モーメントのためなのでしょうか。
データチャート
全体としては低めの評価になってしまいました。
ただ、このモデルはアベレージヒッター向けなのでメリットの大きいプレーヤーは割と多いのではないかと考えています。
これまでも、JGRやミズノプロのモデルEのように私には合わないけど売れているモデルがあります。
なので今回、RMX220の評価としては一定の需要があるとだけ言っておきます。
おススメ度
コメント