RS JUST
PRGRのRSシリーズはフラッグシップで、プロにも使われるモデルです。PRGRは目立ちませんが、結構多作のブランド。RSドライバーなどを含むRSシリーズの他にRSのプロトタイプ、プロギアチューンなど、中上級者向けのモデルにここまで多くのラインナップを展開しているのは珍しいです。
今回紹介するのはPRGR RS(2022)ドライバー。サブタイトル?のようにRS JUSTというネーミングをされたモデルです。前作からの変更点としては、スピンを丁度良い低スピンにするという“ジャストスピン設計”。
低スピン化が飛距離にかなり貢献していることも理解して設計しているPRGRは他の国産より一歩前にいるように思います。この点もPRGR RSドライバーが海外勢に対抗できると私が考えている所以です。
早速デザインから分析していきます。

PRGR RS(2022)ドライバーのデザイン
PRGR RS(2022)ドライバーは、ソールにLSと似たV字の溝が彫られています。この溝は特に性能に貢献しているようなアピールはありませんが、後でその素晴らしさを語らせてください。
イメージカラーはオレンジと黄色の中間のような色で、白黒だったこれまでよりもアクセントが付いて良い感じ。デザインは割と好みです。
ソールのウェイトは後方に1つのみです。RS Fはトゥ側にもありましたが、RSはこれだけ。つまり方向性をいじるような可変ギミックはありません。方向の違いはモデルで変えてくれということですね。
クラウンはカーボンで、サイズ感は前作のPRGR RSと全くと言っていいほど似通っています。
PRGR RS(2022)ドライバーは、スクエアフェースです。ドローするからといって、わざわざフックフェースにする必要もないのでこういうシンプルなデザインは良いですね。ちなみに、RSのフェース形状は普通ですが、RS Fの方はヒールが出っぱっているので、構えただけでも違いは分かると思います。
PRGR RS(2022)ドライバーのフェースは伝統のギリギリフェース。初速性能のために溝はありません。矢印みたいなスコアラインが特徴的。
試打データ
PRGR RS9.5°(-1°ポジション)×純正シャフト
ヘッドスピード | 55.5m/s |
ボールスピード | 76.4m/s |
平均キャリー | 307y |
平均トータル | 330y |
平均サイドスピン | 258rpmドロー |
平均バックスピン | 2199rpm |
平均打ち出し角 | 1.1° |
平均打ち上げ角 | 15.0° |
最大の高さ | 46y |
落下角度 | 43° |
左右ブレ | -13y |
初速性能を評価する上での基準は77m/sですが、PRGR RS(2022)はやや下回りました。ちなみに、前作のRSは77m/sを超えていたので、初速性能が高くなったということはなさそう。それでも“相変わらず最高レベル”ではありますから、進化していなくても悲しむ必要はありません。
何より、平均キャリーがRS F(2022)を超えているということがRSドライバーの推しのポイント。最高キャリーは309yなので、最大限振った時はRS Fの方が飛びます。
こうしてみるとRS(2022)もRS F(2022)も同じ方向性に見えますが、サイドスピンはRS(2022)の方が多いですし、引っ掛けが出るミスの傾向はあるので、やはりRSの方が捕まります。
弾道の高さが46yと私としては低めなのは、この試打データを9.5°をさらに1°立てて計測したからでしょう。PRGR RS(2022)ドライバーもRS F同様-1°がベスポジです。
方向性を比較しても大体同じに見えるのがとても興味深いですね。ただ、RSは打ち出しが大きく右に出てそこから多めのドロー回転で戻ってくる典型的なドローバイアスの弾道。
PRGR RS9.5°(-1°ポジション)×ディアマナDF50S
ヘッドスピード | 55.0m/s |
ボールスピード | 75.8m/s |
平均キャリー | 297y |
平均トータル | 318y |
平均サイドスピン | 37rpmフェード |
平均バックスピン | 2538rpm |
平均打ち出し角 | -1.6° |
平均打ち上げ角 | 14.6° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -7y |
PRGRの試打シャフトのラインナップが少なすぎて萎えましたが、とりあえずあまり好きではないディアマナDFを入れてみました。初速が出ないのは完全にシャフトの責任なので心配しないでください。
安定感はありませんが、ストレートに近い弾道になりました。最大飛距離はキャリー302yで、決してベストセッティングというほどではないかなと思います。
弾道は低めで風には強そう。個人的に左にいくと思っているシャフトなので思ったよりフェードして驚きました。ただこれはアンダースペック気味ゆえのフェードだと感じたので適正スペックだったら結果は変わると思います。
PRGR RS9.5°(-1°)×フブキV50S
ヘッドスピード | 55.6m/s |
ボールスピード | 78.1m/s |
平均キャリー | 296y |
平均トータル | 315y |
平均サイドスピン | 48rpmストレート |
平均バックスピン | 2961rpm |
平均打ち出し角 | -0.9° |
平均打ち上げ角 | 15.1° |
最大の高さ | 54y |
落下角度 | 48° |
左右ブレ | -2y |
フブキVは少しスピンが多いシャフトで、PRGR RSに装着しても3000rpm近いバックスピン量になっています。それでも平均で300y近いキャリーなので十分でしょう。最高飛距離はキャリー299y。
緑色がフブキVの弾道ですが、フェードとドロー両方を比較的容易に打ち分けることが出来ました。そして何と言ってもこの組み合わせでは初速が高いです。これはPRGR RSドライバーの特徴でもあります。つまり、初速が高いエリアとバックスピン量が少ないエリアが離れているために爆飛びにはならなかったという事です。
フブキVでの弾道はかなり高いですね。揃っているので悪くはありません。多分、ジアッタスもこれより少しスピンが少ないくらいに集まると考えられます。
PRGR RS(2022)はここを見ろ!
2022年モデルのPRGR RSドライバーはぜひソールのV字に注目してください。
これぱっと見では分からないのですが、少し立体的になっていて座りの良さに貢献しています。PRGR RS(2022)ドライバーは「こう打て」というメッセージを明確に伝えてくれるので、とても扱いやすいです。
PRGR RS(2022)ドライバーはこんなクラブ
- 捕まりは良い
- 打ち出しは右に出しやすい
- スピンは少なめ(前作比でもかなり低い)
- スクエアフェース
- 初速はいつも通り最高レベル
- 平均的に飛んでくれる
- 心地よい振り感
- 打感が良くなった
PRGR RS(2022)ドライバーはなんと言っても打ちやすいです。セッティングも考えてみましょう。
ヘッド重量
実は前作のRSが190gだったので、PRGR RS(2022)ドライバーは前作比1g軽くなっています。
安定性が高いのでてっきり重くしたのかと思ったら、まさかの逆。私の感覚もまだまだですね。
他社製品と比較
マトリックスチャートで言えばマーベリックの真左です。
PRGR RS(2022)ドライバーのスピン性能自体はRS Fより少し多い(同ロフトなら)のですが、角度などを総合して考えると同じ高さの部類に入ると思います。すなわち、2022年モデルにおいてはPRGR RSとRS Fを高さで選ぶのではなく、方向性で選ぶべきだと思います。
純正シャフトで十分なので、カスタム自体そこまでおススメではありませんが、カスタムするなら、捕まりを抑える方向になるはずです。そうなると、DIより右くらいであれば効果が期待できるでしょう。PRGR RS(2022)ドライバーはそこまできついドローバイアスではありませんから合うシャフトは多いと考えています。
データチャート
私がこのサイトで評価するのは、多くの人におススメ出来るかどうかです。それで言えば、PRGR RS(2022)ドライバーは高評価になります。私が使うならRS Fを選びますが、アマチュアに多くのメリットをもたらすのはRSの方です。
総合評価
PRGR RS(2022)ドライバーは、打感も良くなったし性能も継承されつつ、絶妙に低スピンチューニングに成功しているので、間違いなく高評価ですし間違いなくおススメします。
RS Fは最大飛距離を求める人向け、RSは安定して飛ばしたい人向けというイメージ。飛ばしばかりを気にしていましたが、まさかの安定性でその評価に相乗効果をもたらすとは一本取られました。
期待を超えた2022年モデルのPRGR RSドライバーに拍手を送りたいです。
おススメ度


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