ツアー支給モデル
このサイトでは度々取り上げてきたツアー支給モデルですが、最近は普通に販売されています。特にキャロウェイはダイヤモンド系を数多く販売します。パラダイムシリーズではまだ出揃っているわけではないと思いますが、今回特集するトリプルダイヤモンドSが発売されました。
この記事では私が実際に購入したパラダイムトリプルダイヤモンドSドライバーを試打評価していきます。
パラダイムトリプルダイヤモンドSのデザイン
パラダイムトリプルダイヤモンドSはソールを見てわかるほど小さいです。コンパクトなヘッドです。
ヘッド体積は420ccで、これはローグSTトリプルダイヤモンドSよりもさらに小さくなっています。
パラダイムトリプルダイヤモンドSのソール後方の形状はトリプルダイヤと同じで張り出しが少ないです。
パラダイムトリプルダイヤモンドSは少しシャローバックですが、座りが良さそうな形をしています。
クラウンはカーボンで、デザインは他のパラダイムシリーズと同じような感じです。
フェースも形状こそトゥ側がスッキリしているくらいで概ね同じような見た目です。
今回は8.5°を買いました。なぜ8.5°にしたのかは忘れましたが、多分ローグSTトリプルダイヤモンドSを8.5°にしたからだと思います。
パラダイムトリプルダイヤモンドSのスペック
実は国内向けでは9°と10.5°しかありません。
ウェイトは前4g、後ろ12gです。HPの表記では「ペリメーターウェイト」とありますが固定のウェイトです。US仕様では8.5°が選択可能でした。今回からTAシリアルではなくTCシリアルに変更されています。TCはツアー支給品に実際に与えられるものなのでそれと同じになったということです。
試打データ
パラダイムトリプルダイヤモンドS 8.5°×ジアッタスV2 6S
ヘッドスピード | 54.7m/s |
ボールスピード | 79.3m/s |
平均キャリー | 308y |
平均トータル | 328y |
平均サイドスピン | 82rpmフェード |
平均バックスピン | 2681rpm |
平均打ち出し角 | 0.3° |
平均打ち上げ角 | 15.9° |
最大の高さ | 56y |
落下角度 | 48° |
左右ブレ | 6y |
とりあえずニュートラルなシャフトということでジアッタスV2を組んで計測。ジアッタスよりは捕まえやすいですが、このシャフトでもフェードの方が打ちやすいのでパラダイムトリプルダイヤモンドSはフェードバイアスが強いと判断しています。
フェードでの最高キャリーは305yで、ドローでは314yでした。ドローで打つ限りは平均でキャリー310yを超えますのでかなり飛距離は出ます。
パラダイムトリプルダイヤモンドSの試打データでは、ジアッタスV2が最も安定して高い初速を記録しました。平均でも79m/sを超えています。バックスピン量は最高飛距離の時でも2400rpmくらいなのでこれは抜群の相性です。
パラダイムトリプルダイヤモンドS 8.5°×デラマックス08D 6X
ヘッドスピード | 53.6m/s |
ボールスピード | 77.8m/s |
平均キャリー | 309y |
平均トータル | 331y |
平均サイドスピン | 127rpmドロー |
平均バックスピン | 2397rpm |
平均打ち出し角 | -1.1° |
平均打ち上げ角 | 15.9° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -16y |
もう一つニュートラルなシャフトとしてデラマックス08Dとも組んでみました。この試打データからパラダイムトリプルダイヤモンドSはニュートラルなシャフトで打つ限りは小さいドローか、フェードになることがわかりました。
高さは安定しませんでしたが、飛距離はよく出ます。最高キャリーは323yで、トータル350yです。バックスピンはドロップギリギリの1775rpmなので、パラダイムトリプルダイヤモンドSでセッティングを考えるならドロップに注意する必要がありそうです。
バックスピン量はやはり2400rpmくらいで落ち着きます。
パラダイムトリプルダイヤモンドS 8.5°×ベンタスTRブラック 6S
ヘッドスピード | 54.1m/s |
ボールスピード | 78.3m/s |
平均キャリー | 308y |
平均トータル | 330y |
平均サイドスピン | 459rpmドロー |
平均バックスピン | 2399rpm |
平均打ち出し角 | -1.7° |
平均打ち上げ角 | 15.6° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -43y |
キャロウェイのドライバーはベンタスブラックと相性が良いのでパラダイムトリプルダイヤモンドSでも試してみました。そこまで良好な結果という感じではありませんが悪くないでしょう。
最高飛距離はキャリー314yです。バックスピン量はやはり2400rpmくらいに集まりました。ベンタスTRブラックとの組み合わせではドローで安定します。フェードを打とうとするとかなりスライスしてしまうので難しいです。
初速もまずまず出ているのでアリだとは思います。扱いやすいとは感じませんし、ドロップも頻発するのでピーキーです。
パラダイムトリプルダイヤモンドS 8.5°×ツアーAD PT6S
ヘッドスピード | 53.3m/s |
ボールスピード | 77.3m/s |
平均キャリー | 304y |
平均トータル | 326y |
平均サイドスピン | 441rpmドロー |
平均バックスピン | 2420rpm |
平均打ち出し角 | -0.9° |
平均打ち上げ角 | 14.3° |
最大の高さ | 46y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -36y |
パラダイムトリプルダイヤモンドSが届いてワッグルして「PTだな」と私の第六感が囁いていたので打ってみました。まぁ結果的に心の声は完全に的外れだったのですが一応キャリー300yを超えています。
ドローで集めることには長けていると思いますが、安定はしませんでした。最高飛距離はキャリー309yです。
パラダイムトリプルダイヤモンドSは弾道が高くなることはなさそうです。PTはマトリックスチャートで見ても分かるとおりかなり低弾道なシャフトですが、相乗効果で今回の試打データの中でも最も低い弾道になりました。
パラダイムトリプルダイヤモンドS 8.5°×カイリホワイト 6S
ヘッドスピード | 53.8m/s |
ボールスピード | 78.3m/s |
平均キャリー | 308y |
平均トータル | 330y |
平均サイドスピン | 518rpmドロー |
平均バックスピン | 2385rpm |
平均打ち出し角 | -1.4° |
平均打ち上げ角 | 14.6° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -45y |
パラダイムトリプルダイヤモンドSのUSで標準で選択できるシャフトがカイリホワイトでした。比較的万能なシャフトですが、パラダイムトリプルダイヤモンドSでは捕まりました。
方向は強めのドローです。バックスピンは平均こそ2400rpmくらいですが、ミスショットはドロップです。パラダイムトリプルダイヤモンドSはローグSTトリプルダイヤモンドSよりは捕まるのかなと思います。
パラダイムシリーズの中ではかなり際立って右に飛びやすいドライバーだと思います。
パラダイムトリプルダイヤモンドSの特性まとめ
- 基本的に捕まりは弱い
- 打ち上げ角度が出にくい
- 初速は最高レベル(シリーズ最速)
- ニュートラルなシャフトとマッチ
- 捕まらないシャフトはNG
- ピーキーではある
- ミスはドロップと特大スライス
パラダイムトリプルダイヤモンドSの打感
パラダイムトリプルダイヤモンドSの打感は他のパラダイムシリーズよりもコンコン鳴る感じが強いです。
元々パラダイムシリーズは軽い打感ですが、トリプルダイヤSであってもそれは同じです。打感は良くはないと思いました。
パラダイムトリプルダイヤモンドSのイマイチな点
パラダイムトリプルダイヤモンドSのイマイチな点はピーキーさです。左右両方で深刻なミスが普通に出て、その境目で打つ必要があります。
これは並のプレーヤーではかなり厳しい条件だと私は考えています。それだけ難しいドライバー。特に今回私は血迷って8.5°を買っていますが、ぜひやめましょう。前回から私の小さい脳みそが何も成長していないというのが今回の最大の収穫なのかもしれません。
パラダイムトリプルダイヤモンドSは一発の飛びが凄まじい分魅力はあるものの、これをコースで使いたいかと聞かれれば即答で拒否します。
パラダイムトリプルダイヤモンドSのセッティング
パラダイムトリプルダイヤモンドSはドロップする危険性と吹くスライスの両方のミスが出るので高さの判定は打つ人が“どれだけ性能を引き出せるか”に寄りますがセンターヒットすれば2200rpmを切ることは稀なので半分よりも少し下くらい。
方向性はフェード傾向が強いと感じたので、TS2の少し右くらいの位置かなと思います。TS2とマーベリックサブゼロの間あたりです。
組み合わせは非常に難しいですが、失敗しないのはジアッタスなどのセンター付近のモデルたち。今回で言えばジアッタスV2とデラマックス08Dがおすすめです。左に飛ぶシャフトはPTのラインで使用できる限界かなと。それ以上左のシャフトは多分ドロップします。
データチャート
性能はあまりに極端ですが、パラダイムトリプルダイヤモンドSは一般販売向けの製品ではないのでそこで減点するようなことはしません。飛距離性能は最高レベルだし、上手く組めばスピン量もちょうど良いです。リセールバリューも中々のものでしょうからコスパも高評価。
総合評価
昨今420ccのヘッドなんて珍しいですから、面白がって買いましたが後悔するのは私だけで十分だと思います。正直ローグSTトリプルダイヤSの方が需要はあるのかなという仕上がりだと感じました。
パラダイムトリプルダイヤモンドSは頑張ればキャリー320y超えも打てますし、TCシリアルになったので価値も高いです。10.5°はもう売り切れているらしいですから欲しい人はお早めに。
おススメ度 (1.5 / 5)
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