エッグシリーズの展開
PRGRはアスリートゴルファー向けのRSシリーズ、マニアや上級者向けにPRGRチューンシリーズ、シニア向けのエッグシリーズなど数多くのクラブを作っているメーカーです。
エッグインパクトは赤エッグ(インパクト)の後継で、特徴は短尺であることです。
M-35(R2)だけ43.75インチ、それ以外は44.25インチです。現在販売しているドライバーはほとんど45.5インチを超えているので1インチ(約2.5cm)以上短いということです。
さらに、ネーミングの通り約5500g・cm²の大きな慣性モーメントが武器です。
おそらく現行モデルで最大と謳いたかったのだと思いますが、偶然にも同時期発売のヤマハRMX220がそれをはるかに超える慣性モーメントを実現していますのでこれは残念。
ただ、ここ数年のドライバーのコンセプトとして慣性モーメントがかなり重視されていることは間違いありません。
思い返せば、ナイキの傑作(だと私が思っている)サスクワッチSUMOスクエア5900はその高い慣性モーメントゆえに明らかな直進性の高さを示しましたが、音や打感など課題も多かったです。
最近のドライバーはそこまでではないものの、SUMOの後追いな気がしてなりません。
ある意味慣性モーメントの極致なのでいつかまた登場すると信じています(笑)
話がそれましたが、試打データから見ていきましょう。
試打データ
ヘッドスピード | 51.2m/s |
平均キャリー | 270y |
平均トータル | 291y |
平均サイドスピン | 820rpmドロー |
平均バックスピン | 2664rpm |
平均打ち出し角 | -3.5° |
平均打ち上げ角 | 13.1° |
左右ブレ | -63y |
この手のドライバーは飛距離がイマイチ出ません。
ただ、エッグインパクトはバックスピンの量も適当で、ヘッドスピードが速すぎなければ結構飛ぶのではないかと感じました。
実際、この3球の最大飛距離はキャリーで272yですが、思いっ切り打てば290y近いキャリーも可能でした。
方向性は、重心角が37°ということもありかなり左。打ち出しから大きく左に飛んでいきます。
それでも感心したのは、サイドスピンの揃い具合です。777~866rpmという非常に狭い範囲に収まっています。
つまり、曲がり幅が均一で同じ弾道を打つことに長けているということです。
この試打データには書いていませんが、ミート率は1.43付近を推移し、初速は平均72m/sを超えます。
このくらいの長さであれば、ヘッドスピードは落ちずにミート率は高くなりやすいです。とても打ちやすかったです。
ビジュアルで見る弾道
60yくらい曲がっています。
弾道は、歪んでおらず強弾道にすら見えます。これは記事を書きながら驚きました。
エッグインパクトの見た目
ネック部分にインパクトと書かれています。
このほかにもインパクトじゃない通常の長さのモデルもあります。
構えるとドライバーとしては珍しいグースが確認できます。
ソールはつや消しですが、クラウンはテカテカ。ただし、クラウンの後方は少しだけつや消しの部分があってヘッドが小さく見えます。
フェース形状は厚めで、長方形に近いです。
データチャート
飛距離は平均して飛ぶとは言えないので厳しめに評価しました。それでも飛ばそうと思えば290yくらいは飛びますし、ヘッドスピードがもう少し低い方ならミート率が上がって飛ぶかもしれません。
また、エッグインパクトはRMX220と違って安定感があり、慣性モーメントの高さを感じます。
とにかく、短尺ドライバーというのは180cmを超える高身長の方以外にはメリットしかないので、かなりおススメ。
総評
ロフトが9.5°も選べたらもっと良いのになぁと思いました。
重量が290g前後なので、アベレージヒッターには適切ですし、短尺なのでシャフトはしっかりしたトルク感でした。
打感が特徴的で、非常に弾く感触が気持ちよかったです。
どんなに頑張ってもドローやフックになるので、スライサーの方だけにおススメします。
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