前作で大躍進
コブラのドライバーはゼビオグループの一部店舗でしか試打が出来ないので日本国内ではマイナーブランドですが、アメリカでは割とメジャーです。しかも他のブランドと比べて若干値段が安いですし、毎年新しいモデルを出しているのでマークダウンも狙えます。
2023年モデルはまたネーミングを変更して「エアロジェット」シリーズが登場しました。ラインナップはこれまで同様で、今回試打するのは中間モデルであるエアロジェットドライバーです。
エアロジェットドライバーのデザイン
エアロジェットドライバーの基本的なカラーリングは赤、青、白でアメリカ国旗の配色です。決してカッコいいとも思いませんが、コブラらしいおもちゃ感満載のデザインです。
構造的にはソール前方に金属パーツを多用しているフレームにカーボンボディを貼り付けたような仕様。SIM2よりはフレームのボリュームを感じるものの考え方は似ているように思います。
クラウンも大部分がカーボンで低重心化を狙っています。クラウン形状は後ろに少し伸びていますが不自然な感じはしません。エアロジェットドライバーのフェースアングルはスクエアです。
エアロジェットドライバーは完全に地面に着陸するシャローバックではありませんが、後方に伸びており安定性を狙ったモデルであることが理解できます。エアロジェットにはさらに高慣性モーメントのMAXもあるのでこれでもまだ短いのかもしれません。
フェースは普通にチタンです。カーボンフェースを出すならテーラーの次はコブラなんじゃないかと予想していますがどうでしょうかね。
試打データ
エアロジェット9°×カイリホワイト6S
ヘッドスピード | 52.6m/s |
ボールスピード | 75.4m/s |
平均キャリー | 293y |
平均トータル | 313y |
平均サイドスピン | 66rpmドロー |
平均バックスピン | 2642rpm |
平均打ち出し角 | -0.3° |
平均打ち上げ角 | 16.8° |
最大の高さ | 55y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | -6y |
エアロジェットドライバーのUSモデルで選べる標準シャフトだったのでカイリホワイトで試打。バックスピン量はLSよりも少し多めで2642rpmでした。初速は75.4m/sと伸び悩みました。最高飛距離はキャリー300yで、そこまで飛びに特化したドライバーではないと思います。
平均サイドスピンが二桁ですが、実際にストレート弾道が出る組み合わせです。エアロジェットドライバーは安定性が極めて高いと判断しています。特にミスをしたときに多少ショートするものの、3000rpmを切るのでスコアを崩すミスにはなりません。
エアロジェットとエアロジェットLSの違いは初速の出方と打ち上げ角度に現れます。エアロジェットドライバーの方が1°くらい高く打ち上げるので高さは出しやすいと思います。
エアロジェット9°×カイリブルー6S
ヘッドスピード | 53.9m/s |
ボールスピード | 76.4m/s |
平均キャリー | 298y |
平均トータル | 318y |
平均サイドスピン | 372rpmドロー |
平均バックスピン | 2569rpm |
平均打ち出し角 | 0.5° |
平均打ち上げ角 | 16.4° |
最大の高さ | 54y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | -22y |
より捕まるカイリブルーでもバックスピン量は変わりません。初速は伸びましたので、カイリホワイトでの初速の低さはシャフトとの組み合わせによるものだと言えそうです。
エアロジェットドライバーは中々距離が伸びず、この組み合わせでも平均キャリーは300yを下回ります。最高キャリーは301yでした。このシャフトでもエアロジェットドライバーは少し高い打ち上げ角度になりました。
ドローがしっかりかかりますが逆球が出にくくて良い組み合わせでした。安定性はこちらでも抜群で「曲げる方が難しい」と感じるほどです。
エアロジェット9°×ジアッタスV2 5SR
ヘッドスピード | 53.3m/s |
ボールスピード | 75.6m/s |
平均キャリー | 303y |
平均トータル | 327y |
平均サイドスピン | 214rpmドロー |
平均バックスピン | 2162rpm |
平均打ち出し角 | -1.4° |
平均打ち上げ角 | 15.9° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 43° |
左右ブレ | -24y |
知り合いに借りたジアッタスV2の5SRで試打計測を行いました。割と捕まるエアロジェットと組んで穏やかなドローです。
計測したすべての弾道でキャリー300yを超え、最高値はキャリー306yでした。そして見事な方向安定性はやはりジアッタスです。
初速はバラつきましたが最高で77.5m/sです。流石の汎用性を発揮しています。
エアロジェットドライバーの良い点
- 安定性が非常に高い
- 無理なく高さが出る
- かといって吹くわけではない
- 打感が良い
- 大きい割には振り心地が気にならない
エアロジェットドライバーのイマイチな点
- 飛ばない
エアロジェットドライバーの推しのポイント
後方にウェイトが付いているのはどのブランドもやっていることですが、人工芝を擦った後を見てもカーボンとフレームの間にあるので地面へのコンタクトが良いです。
エアロジェットドライバーは最もフィーリングが良い高慣性モーメントドライバーだと思います。
データチャート
飛距離性能は正直見劣りしますが、安定性で十分挽回できるので心配はいらないと思います。言っても私の飛距離で他社製品より10y飛ばないだけなのでパーセンテージで言えば3%です。アマチュアならその日の調子で簡単に覆るくらいの差です。
総合評価
エアロジェットドライバーはとにかく安定性に全振りしたようなドライバーだと感じました。キャロウェイやテーラーの2000rpm前後の超低スピンドライバーで高さが出ない人の救世主となることでしょう。
そして、安定性が高いのに後ろにゴテゴテ付けたうるさいデザインになっていないことも誉めるべき点だと思います。



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