ドライバー同様、アイアンにも選び方のポイントがあります。基本的な部分は同じですが、アイアンの特性上注意することがあるので総合的な選び方をレクチャーします。
アイアン選びはまず〇〇から
アイアンで一番気をつけなければならないのは度数です。ドライバーは概ね8.5°~11.5°ほどの幅しかないのに対して、アイアンは7番比較で25°~36°とかなり違いがあります。
度数が小さければ小さいだけ立っているということなので、飛距離が出ます。具体的には1°立つと2~3y差がつきます。
ですので、基準を覚えておきましょう。
現在のアイアンのスタンダードは7番で30°です。(5番アイアンがセットに入っていないものも多いので7番で比較)
つまり、これより小さいロフト角のもは「飛び系」と言われ、これよりロフトの大きいものは「中上級者向け」と言われます。厳密には重量も関係しますが、おおむねロフトの小さいアイアンは軽いので、30°を境に区分けすることが出来るのです。
アイアンは○○で重量が変わる!
冒頭でも少し触れましたが、アイアン選びでもドライバー同様重量は大切です。しかし、ドライバーがほとんどカーボンとチタンなのに対して、アイアンは素材が様々です。
見た目が似ていて判断しにくいので、注意しましょう。
では、何が重量に影響するかというと、素材です。アイアンは鉄でできている物だと思っている方が多いのではないでしょうか。
だって、名前がアイアン(鉄)ですからね(笑)
しかし、現在のクラブはむしろ鉄のみのアイアンは珍しいです。今のアイアンは鉄、アルミ、ステンレス、タングステン、チタン、アイオノマーなどの素材が使われています。
アイオノマーはなんと樹脂です。ゴルフのグリップの材料です。これを充填することで反発力を高め、飛距離を伸ばすことが出来るのです。
重い順にタングステン、鉄、ステンレス(配合による)、チタン、アルミです。このうち、メイン(フレーム)で使われるのは、鉄とステンレスです。そこにタングステンを充填したりアルミを配合したりします。
よって、お店で「タングステン充填」と書いてあれば「充填したところが重いんだな」とか、「純鉄○○%」と書いてあれば、「重いヘッドなんだな」と考えていただければよい訳です。
シャフトの選び方
ドライバーほどシャフトが重要視されないのは違いが分かりにくいからでしょう。確かに、硬さを表すトルク値をみてもそんなに変わらないし、見た目も似ています。
カーボンかスチールか、だけしか考えない方がほとんどです。
ですが、アイアンはラウンド中に打つ回数が圧倒的に多いです。よって、かなり重要な役割があるので、適当にしないでほしいと思っています。
カーボンに関しては、ドライバーと似ているので、こちらの記事にカーボンシャフトの詳細が載せてあるのをご参照ください。
ということでここでは、スチールシャフトについて解説していきます。
スチールシャフトも重さから
ここ数年で、スチールシャフトも種類が豊富になってきました。というのは、スチール育ちのシニア世代が多くかなりの需要があるからです。
有名なのはゼロスシリーズでしょう。60g台のシャフトがあり、適度にしなるスチールシャフトです。
逆に重いものだと130g台まであります。ですから、カーボンシャフトよりも幅が広い訳です。
多くのアイアンセットにはNS950という90g台のシャフトが入っています。これを標準と考えてください。スチールシャフトもカーボンシャフトと同じように重ければ硬いです。
シャフトのバランス
正直、スチールの場合はあまりバランスを気にする必要がないと思っています。というのは、重くて硬いので、しならないからでです。
しならない限りはキックポイントはほとんど意味ありません。よってバランスは優先順位はかなり低いです。
強いて言うなら、今使っているものに近いバランスにした方が良いくらいでしょうか。
ヘッドの選び方
前述の通り、ヘッドは素材によってさまざまですので、こだわりポイントだったりします。
軟鉄鍛造
なぜか神格化されている軟鉄鍛造ヘッド。鍛造は「削りだし」のことで、鋳造に比べて空洞ができにくいので重量誤差が少ないのがメリットです。
実際、重量誤差が多いことで有名(?)なタイトリストの鋳造ヘッドはものによっては数gの誤差が出ます。気にされる方は鍛造(フォージド)を選択しましょう。
軟鉄鋳造
同じ鉄なのに疎まれる鋳造。鋳型に液体の鉄を流し込んで作る鋳造は精度が悪い一方、コストが安いというメリットもあります。
打感や性能は鍛造とそんなに変わらないので、重量誤差だけ目をつぶればかなりお得です。
ステンレス
ステンレスアイアンと言えばピンが有名ですね。光沢が少なく、打感は硬いです。鉄のようにへこむような傷がつきにくく、表面にかすり傷のようなものが出来るだけです。
ステンレスは打感がとにかく硬いので充填剤が入っているものが多いです。バックスピンが少しかかりにくいというデメリットもあります。
クロモリ
クロームモリブデンのことです。自転車のフレームにも使われる金属です。メイン素材は鉄で、クロムとモリブデンを配合した合金です。
これにニッケルを配合したニッケルクロムモリブデン鋼もあります。表面が硬く、摩耗に強いです。耐久性の高いアイアンが多いです。
マレージング鋼
ニッケルやコバルトを配合した鋼です。強度が高く硬いです。鋼とは炭素の配合量を減らした鉄の精度を上げたもので、航空機や宇宙関係の素材として使われています。
打感の分かりやすいマッスルバックに採用されているものは私の知る限り無いので、よくわかりませんが、やや硬めなフィーリングです。
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